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人とつながる手助けを「若者の家族のような存在でありたい」・白石祥和さん(H12卒)
(2020年12月6日山形新聞より)


フリースクール運営・NPO法人With優代表・白石祥和さん(39・H12卒)

 NPO法人With優(米沢市)は、県内唯一のフリースクール運営を行い、不登校や引きこもり、就労に悩む若者の支援活動に取り組んでいる。同法人代表の白石祥和さん(39・H12卒)に活動を始めたきっかけや、子どもたちと接するときに大事にしている思いなどを聞いた。

 ―フリースクールを立ち上げたきっかけは。

 「山形大教育学部を卒業後、就職がうまくいかず、道路工事から早朝の魚市場のアルバイトまで、仕事を転々としました。小学校の臨時教員も務め、社会で求められる資質と教育のギャップを感じたのですが、まずは勉強や人間関係がうまくいかない子に『学校に行かなくても大丈夫だよ』と発信したいと思いました。25歳の春に市内7千件を自転車で回ってチラシを配り、支援者集めから始めました」

 ―フリースクールはどんな活動をしていますか。

 「平日午前9時に投稿するなど、スケジュールは学校とほぼ変わりません。学年の制限はありませんが、高校生が多く、毎年5人前後が卒業していきます。大学進学や就職のために高卒認定試験の勉強をする時間がありますが、必ず勉強しないといけないというわけでなく、集まってゲームをする日もあります。修学旅行やキャンプ、職場見学など、季節ごとにイベントも開催しています」

 ―100キロ自転車旅行走破など、ご自身も生徒と一緒にさまざまな活動に挑戦していますね。

 「何かを教えるというよりも、一緒にチャレンジすることをモットーに取り組んでいます。大人が元気じゃないと、子どもたちも楽しめない。『やったことのないことに挑戦することは楽しいんだ』と、生徒たちに実感してもらえるよう、元気なチャレンジを続けていきたいと思っています」

 ―近年、引きこもりや不登校が急増しています。

 「ここ10年で不登校を受け入れようという世論が大きくなりました。それ自体は良いことですが、引きこもりの状態が続くだけでは生きていけません。一度切れてしまった人とのつながりを、また別の形で、別の人たちとつなぎ直す手助けが必要だと思っています。フリースクールはそういった人たちを受け入れる大きな家族のような存在でありたいと思っています。法人だけでできることには限界がありますが、支援してくれる地域の方々や企業が増え、地域で支える若者支援の形が見えてきました」

 ―そり頭に無精ひげと、特徴的な風貌をしていますね。

 「忙しい時期に週1回、バリカンで頭をそるだけで楽になれるということで始めましたが、インパクトがあるので地域の人からは覚えてもらいやすく、活動の面でもネットワークづくりに役立ちいました。生徒たちを怒ることはまずありませんが、顔だけは無駄に怖く、威厳のある父親のような雰囲気作りにも一役買っているかもしれません」

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