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魅力的なダンス授業・東ティモール・吉田福太郎さん(23・H26卒)
(2019年10月19日山形新聞より)


体育の授業で中学3年生に{よさこいソーラン」を教える吉田福太郎さん(H26卒)

 今学期は9月より体育でダンスに取り組んでいます。中学3年生は「よさこいソーラン」、高校1年生は「Hip-Hop」の創作ダンスに挑戦しています。体育の教材が乏しい東ティモールの学校は、身体一つでできるダンス授業はとても魅力的です。

 2学期の体力測定において、生徒たちは「下肢の柔軟性」「バランス感覚」「巧緻性」の3項目が特に劣っていました。そこでダンスを通して、楽しく身体を動かしながらこれらの能力を高めていくことを目的に据えました。2学期末、生徒たちに「3学期はダンスをするよ」と伝えると、彼らはもう大はしゃぎ。ここ南の国東ティモールののりの良さは折り紙付き。みな歌とダンスが大好きなのです。

 しかし、はしゃいでいたのもつかの間、ダンス授業が始まると生徒たちは自分のイメージ通りに身体を動かせないという壁にぶつかってしまいました。生まれて初めて触れる日本のダンスとHip-Hopに悪戦苦闘です。「できないことができるようになる」という喜びを生徒に味わわせたい思いで授業を展開していますが、物事の反復を大の苦手とする東ティモール人に対して、どのような指導がベストなのかと試行錯誤する日々です。

 葛藤の中、これまでやる気を見せていなかったある生徒たちが、私の下にダンス指導の依頼にやってきました。生徒たちの自主的な姿勢は初めてだったため、気持ちが高揚し、無我夢中で時間も忘れて指導しました。彼らは身体を動かしながら、私の説明をノートに書き写したりと、技術を吸収しようと必死でした。このような姿勢に生徒たちの成長を感じると同時に、活動も8カ月が過ぎ、徐々に信頼関係が築けてきたのかなと感じました。

 今後は授業の集大成である11月のダンス発表会に向けて、生徒たちが楽しく気持ちよく踊れるように、より一層力を込めて指導していきます。最後まで生徒たちを信じて一緒に楽しむという気持ちで頑張ります!

■吉田福太郎(よしだ・ふくたろう) 米沢興譲館高を卒業後、白鴎大学教育学部発達科学科でスポーツ健康を専攻。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊として、今年1月から東ティモールに派遣された。職種は体育。米沢市出身、23歳。

「助け合う」温かい国・東ティモール・吉田福太郎さん(2019年6月1日山形新聞)