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改善策一緒に考える・フィリピン・板垣幸樹さん(31・H18卒)川西町出身
(2019年2月9日山形新聞より)


牛乳プラントのスタッフと乳質検査をする板垣幸樹さん(H18卒)

  フィリピンに来て1年半が経過しました。日々の活動は次第に牧場の業務の一部となってきました。これまでと同じように乳質検査、繁殖管理、寄生虫検査、治療牛の助言を中心に行っています。

 乳質検査はひとつきに1週間ほど、配属先のオフィスと検査室のあるセブ島で行っています。検査サンプルは牧場の生乳と牛乳プラントで加工・処理された乳製品のため、冷凍保存のまま5時間ほどかけて実験室に運んでいます。

 実験室では乳成分検査、細菌培養検査、耐性菌検査などを実施して、牛乳に問題がないかを確認しています。安全でおいしい乳製品を提供するためには、牛乳の品質を管理することが大切です。しかし牛乳の質を下げる乳房炎という病気が乳牛では問題とされています。この病気は乳房に病原菌が感染することで発症し、最初は熱を出して食欲不振となることもあります。そして病気が慢性化すると回復するのが難しくなり、乳質の悪い牛乳が続くようになります。毎月の乳質検査では、日ごろは気付かない乳質の悪い搾乳牛を特定しています。

 これまでの乳質検査の結果から、牧場内に感染性の慢性乳房炎が広がっている可能性がありました。さまざまな原因が考えられますが、これまでの搾乳の方法に問題があったように思われます。搾乳担当のスタッフに手技を改善してもらうことが必要ですが、どのように伝えて理解し、続けてもらえるかがこれからの私の課題です。

 これは乳質検査の活動だけではなく繁殖管理や寄生虫検査などでも同様です。それぞれの活動から得られた結果から改善策を考えて、それを日ごろの業務として続けていくことが必要となってきます。これからの残りの半年間の活動は、これまでの1年間の検診や検査の活動で見えてきたことをスタッフに伝え、継続していくことに力を入れていきたいと思います。

 ■板垣幸樹(いたがき・こうき) 岩手大を卒業後、千葉県で5年間、産業動物の診療業務に従事した。2017年5月から国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊としてフィリピンに派遣された。職種は獣医・衛生。川西町出身、31歳。

搾乳牛増へ繁殖検診・板垣幸樹さん・フィリピン(2018年9月8日山形新聞)
生産量多い乳牛育成・フィリピン・板垣幸樹さん(2018年5月5日山形新聞)

2月9日山形新聞