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日系社会理解手助け・本間結さん(H19卒) 小国町出身・ブラジル、日系日本語学校教師
(2018年6月9日山形新聞より)


サンパウロ州ピエダーデ市の柿祭りで折り紙を教える本間結さん(H19卒)

 「オラ トゥド ベン?(皆さんお元気ですか)」。私はブラジル北部のパラー州ベレン市で日系日本語教師として活動しています。ベレン市はマンゴー並木が有名なアマゾン河口の街です。突然のスコールや高温多湿の気候に頭を悩ませていますが、初めてアマゾン川を目にした時の迫力は、決して忘れることができません。 ブラジルに来たことを実感した瞬間です。

 今年は日系移民110周年の記念の年です。ブラジルには推定で約190万人の日系人がいるとされ、日系人を表す表現として「ジャポネス・ガランチード(信頼できる日本人)」という言葉があります。日本からブラジルに初めて移民が渡ったのは1908(明治41)年6月18日。移民船「笠戸丸」がサントス港に入港して以来、日本人移住者の長きにわたる努力によって、ブラジル社会の中で信用を培ってきました。ベレン市には約4千人の日系人や日本人が生活し、文化、福祉、教育の各分野で日系社会が構築されています。

 配属先のアマゾニア日伯援護協会は、アマゾニア病院や更生ホームを運営している日系福祉団体です。私は2月から病院職員(非日系)を対象に日本語と日本文化の講座を行っています。1世の高齢化が進み、日本語による対応が必要になっていることに加え、日本人の時間に対する意識や礼儀、作法を職員が身につけることで、病院全体のサービス向上につなげたいという要望に応えられるよう日々活動に励んでいます。日本語に関心を持つ職員は多く、休憩時間を利用して講座を開講しています。病院内で日本語を教えるのは初の試みで、試行錯誤の連続ですが、職員の要望に柔軟に対応していきたいと考えています。

 活動は始まったばかりですが、雄大な自然と陽気なブラジル人に囲まれ、何事にも楽しく取り組む姿勢を学んでいます。日本語教育を通して、ブラジル人が日系社会をより理解する手助けになればと思っています。

※本間結(ほんま・ゆい) 米沢興譲館高(H19卒)、都留文科大文学部比較文化学科、中国の湖南師範大大学院文学部漢語国際教育専攻を卒業。2014年から3年間、一般企業に勤務。18年1月から国際協力機構(JICA)の日系社会青年ボランティアでブラジルに派遣。職種は日系日本語学校教師。小国町出身、29歳。

6月9日山形新聞