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ぐるっと東北 母校をたずねる 県立米沢興譲館高校-4
部活仲間と励まし合い 俳優・眞島秀和さん=1994年度卒
(2017年6月23日毎日新聞東北版より)


俳優・眞島秀和さん=1994年度卒

 映画やテレビドラマに次々に出演し、その演技力で多くのファンを魅了する俳優、眞島秀和さん(40)=1994年度卒。卒業時の先生の「これからが人生の始まり」との言葉が胸に残っているという眞島さん。デビューにつながる人生の選択は、大学4年の秋に訪れた。 【馬渕晶子】

 地元で一番の進学校で、中学の先生に「もう少し勉強を頑張れば行ける」と乗せられ、父の母校でもあったので、合格した時はうれしかった。歴史ある学校で学べたことは誇りです。  

 本当に頭の良い人たちが集まっていて、放課後も学校のホールで自主的に勉強していた。僕は代わりに部活のバスケットボールに打ち込みました。勉強より部活を頑張って、帰りに仲間と寄り道をするという、至って普通の高校生でしたよ。

 毎日のように英単語や数学のテストや課題があり、大変だった。文系科目に集中すると決め、2年の途中から数学の課題は提出しなくなったけれど、数学の先生は苦笑いで済ませてくれました。自主性を重んじる校風のお陰か、追い詰められることも劣等感もなく、楽しんでいました。 体育祭でクラスTシャツを作ったのがいい思い出ですが、特に主体的に取り組んだわけでもなく、面白いやつの横でいつも笑っているようなタイプでした。

 将来の夢もなかったし、俳優になりたいとは全く思っていませんでした。高校入学前の話ですが「東京ラブストーリー」などの人気ドラマのセリフを一人ひそかにつぶやいてみたぐらいですかね。

 東京の大学に入り、友人のヒップホップダンスの発表会を見に行った時、舞台の上で照明を浴びて表現する姿がかっこよくて、「自分も何かを表現したい」と強く思ったのがきっかけです。それから俳優養成所に入り、4年の秋、後にデビューにつながる自主制作映画のオファーがありました。出演したら留年という状況で、出演を選び、大学は中退。高校卒業を前に担任の高橋芳弘先生が「大学に入ったから、人生が保証されるわけじゃない。これからが人生の始まりだ」と言ったことが思い出されます。

 食っていけるかも分からない焦りの中で励まし合ったのが、高校の部活仲間で現在、アートディレクターやグラフィックデザイナーとして活躍する我妻晃司です。彼はデザインを学ぶため、大卒後に入った会社を辞めて上京したのですが、部屋に僕の映画のポスターを飾ってくれていました。

 彼は、僕の所属事務所の仕事をもう十数年担当していて、2年前にも、所属する俳優陣を撮影した宣材ビジュアルのアートディレクションとデザインを手掛けてくれました。俳優とデザイナーの立場で顔を合わせるのは照れくさいけれど、互いの仕事が確立できたという一つの場面でもあるので、感慨深いものがありますね。やればやるほど奥深い世界で、俳優を始めた当初より、今のほうが必死なぐらいですが……。

 年を重ねて故郷への愛情も芽生えていて、わずかでも協力できる機会があればと思っています。

 ましま・ひでかず  1976年生まれ、米沢市出身。大学進学で上京後に俳優を目指し、2001年公開の主演映画「青〜chong〜」でデビュー。米沢市などがロケ地となった映画「スウィングガールズ」(04年)では方言指導も担当。今月から全国順次公開の主演映画「心に吹く風」や、8月12日スタートのWOWOW「連続ドラマW プラージュ〜訳ありばかりのシェアハウス〜」、舞台「鎌塚氏、腹におさめる」(9月13日に仙台公演)など、最新作にも続々出演。


毎年、米沢市内で開かれる同窓会懇親会では、元応援団員の音頭で応援歌を歌うのが恒例

同窓会ニューヨークにも支部

 米沢興譲館同窓会は12の支部を持つ。県内はもちろん、県外にも宮城、東京、関西、米ニューヨークなどに支部がある。毎年、同窓生が米沢市内の会場に集まり、盛大な懇親会を開催している。昨年は創立130周年で、9月17日に例年より多い700人超が集結した。  

 「栄えある歴史300年/連綿つきぬ興譲の/流れをうけし我等なり/などか覇権を渡すべき」(凱歌(がいか))

 壇上では応援旗が左右に大きく振られ、大宴会場に響き渡る太鼓の音に合わせて、旧制興譲館中学時代から歌い継がれてきた応援歌「凱歌」や「栄光への道」を合唱するのは毎年の光景だ。大友恒則・同窓会会長=1959年度卒=は「『自他の生命を尊び、己を磨き、世のために尽くす』という興譲館精神を継承していきたい」と語る。

 ニューヨーク支部からも、70年に移住した江部孝さん=58年度卒=が遠路駆けつけた。「今日のような困難な時代に対応できる知識を身につけ、世界で活躍できる多くの人材を育成してほしい」。江部さんにとって米沢への帰郷は、教育の原点を見つめ直す機会でもあるという。

【佐藤良一記者・S52卒】


 ■卒業生「私の思い出」募集

 県立米沢興譲館高校卒業生の皆さんの「私の思い出」を募集します。300字程度で学校生活や恩師、友人との思い出、またその後の人生に与えた影響などをお書きください。卒業年度、氏名、生年月日、職業、電話番号、あればメールアドレスを明記の上、〒100-8051、毎日新聞地方部「母校」係(住所不要)へ。メールの場合はtohoku@mainichi.co.jpへ。いただいた「思い出」は紙面や、毎日新聞ニュースサイトで紹介することがあります。


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