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経営者の信念、教育への思い・・・ 近野兼史さん(S17卒・米沢出身)が出版 
(2013年6月14日山形新聞・仙台ナビより)

近野兼史さん道ひとすじ
近野兼史さんの「道ひとすじ」

 米沢市出身で、財団法人近野教育振興会(同市)理事長の近野兼史さん(88・S17卒)=仙台市泉区=がこれまで十数冊に及ぶ著作や発言録などから思い入れのある言葉を集めた「道ひとすじ」を出版した。経営者としての信念や教育への思いなどを凝縮し、自身の半生を記録した一冊。
 近野さんは1957(昭和32)年、米沢に食品会社を設立し、置賜一円でスーパー経営に手腕を発揮。ジャスコ(現イオン)の岡田卓也社長と出会い、73(同48)年の合併を経てジャスコ取締役も務めた。経営の一線を退いた後、古里に恩返しがしたいと教育振興会を設立。置賜地区の高校生を対象にした奨学金給付事業を20年以上続けている。
 「道ひとすじ」は志を持ち常に全力を傾けてきた近野さんの生きざまをたどるように構成。経営者として従業員に配布した文書からは「トップの原作を忠実に脚本化し、演出することが社員の務め」「人々の暮らしを豊かに、より幸せにできる商売をしていることの楽しさを誇りに」などの熱い言葉が連なる。
 振興会が奨学生向けに発行してきた便りでは、近年の教育荒廃を憂いながらも「教育こそ人間社会の重要な要素だ」と強調。「知っていることとできることは全く別」「(読書は)言葉を知り、言葉で考え、人生をより深く生きるための力をつけていく」と、青少年や親たちへの温かいメッセージをつづっている。妻英子さんへの感謝を込めた詩集の一部も収録した。
 商売の心得から子育て、教育、人生論まで、近野さんが折々の場で語り、記してきた言葉の数々。幅広い見識の中に人間への深い愛が貫かれている。近野さんは「本はあくまで現時点の集大成」としつつ、「まだまだ書き残して伝えていきたいことがある」と意欲を語っている。
 千部発行。問い合わせは笹氣出版印刷 022(288)5555.

近野兼史さんウェブサイト
妻への感謝 詩で表現・米沢出身の近野兼史さん出版(2010年7月20日山形新聞)
人格教育の大切さ訴える 米沢出身の近野兼史さん、エッセー集出版(2012年9月7日山形新聞)

6月14日山形新聞