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感謝と恩返し忘れず・坂野雄大さん(25・H17卒) 
米沢市出身・パプアニューギニア・理数科教師 (2011年10月15日山形新聞)

坂野雄大さん
現地語語学訓練の中でのビレッジステイの一コマ。ホストファミリーの子どもたちと一緒に。
(右端が坂野雄大さん・H17卒)

 私が赴任しているパプアニューギニア(PNG)は面積が日本の1.2倍。人口は日本の約20分の1で「地球最後の楽園」と表現されるほど自然が豊かで、伝統文化にあふれた国です。聞き慣れない国かもしれませんが、赴任しているココポのすぐそばにあるラバウルは、戦時中、実際の戦場になった場所として大変有名です。
 ちなみに、昨年、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」でも話題になった鬼太郎の生みの親でもある水木しげる氏が戦時中に駐在していたのもラバウルです。


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 任地で活動を始めて、約2カ月。まだまだ語学の面(公用語は英語とピジン語)で至らないところは多々ありますが、ようやくこの国の国民性や文化、そして学校教育の問題点などが見えてきました。
 私には任地で活動していく中で忘れずに大切にしていきたいことがあります。それは「感謝と恩返しの気持ちを忘れない」ということです。
 というのも、話は今年3月、東日本大震災の発生時までさかのぼります。私は当時、研究発表のためドイツにいました。テレビで見たあの映像、2日前に飛び立った仙台空港の無残な姿。苦しんでいる人がたくさんいるというのに、何もできなかったもどかしさは今でも忘れることができません。
 さらに自分の夢を実現するためとはいえ、自分が育ってきた東北が大変な時に、2年間日本を離れるのは後ろ髪をひかれる思いでありました。しかし、被災なされた方に直接支援をすることができなくとも、支援したいただいた国々(PNGもその中の一つ)に対し感謝の気持ちを伝え、恩返しとして自分にできる最大限の活動を任地で行うこと。これは今だからやらなければならない大切なことであると考えるようになりました。
 だからこそ、わたしは感謝と恩返しという気持ちを忘れず、この国の未来を支える子どもたちのためできる限りの活動を続けていきたいと思っています。
 私の活動の記録をブログで公開しています。海外生活、国際ボランティアに興味のある方はぜひ一度のぞいてみたください。
http://ameblo.jp/nikunosakano/

■坂野 雄大(さかの・ゆうだい) 
米沢興譲館高から山形大理学部に進学。今春、東北大学大学院を修了。専門は数学(幾何学)。
山形県で教員になる前に、できる限り多くのことを経験しようと協力隊に参加。職種は理数科教師。初寄稿。米沢市出身。25歳。

※海外協力「教師」の糧に・坂野雄大さん(2011年6月18日米澤新聞)

10月15日山形新聞