藩校興譲館、米沢中学、米沢一高、米沢西高、米沢興譲館高と続く米沢興譲館同窓会公式サイト

ホームページロゴ

68歳の挑戦 感動呼ぶ 舞踏家・花輪洋治さん(南陽出身・S35卒) 若手と競い国際大会入賞
(2011年11月2日山形新聞)

花輪洋治さん
なかの国際ダンスコンペティション決勝ステージでの花輪洋治さんの踊り「ザ・ローズ」
(©A・I 撮影:Tsutomu Naito)

  南陽市出身の舞踏家花輪洋治さん(68・S35卒)=横浜市=が先月下旬、東京で開かれた国際ダンス大会でシニア部門で3位に輝き、特別賞も受賞した。すでに指導者の地位にあるプロの出場自体あまり例がなく、ベテランの旺盛なチャレンジ精神が舞踊界の話題になっている。
 花輪さんが挑んだ第12回なかの国際ダンスコンペティションは国内外の数百組が競う若手の登龍門。シニア部門(高卒以上)に出場した花輪さんは「ザ・ローズ」のタイトルでのバラードのジャズダンスを披露し、20代前半の若者らの中で3位に入賞。全部門から選ばれる洋舞連盟会長特別賞も獲得した。
 現在、現代舞踊協会常務理事を務める花輪さんは本来、こうしたコンクールで審査員となる立場。コンペ参加を決めた直後から「先生どうしたんですか」と質問攻めに遭い、「無謀だ」と批判的な声もあがったという。だが、「日本のダンスはテクニック優先。心に伝わる何かが足りない」と感じ、自分の思いを表現しようとコンペ に臨んだ。
 「ザ・ローズ」は昨年亡くなった教え子へのレクイエムとして墓前にバラを手向けるストーリー。迫真の踊りで、会場では若者たちから「感動しました」「感情表現がすごい」と感嘆の声が漏れ、審査員からも「泣けてきた」と賛辞が寄せられたという。
 先日、赤湯温泉の旅館で開かれた古希同窓会のために帰郷した花輪さんは、旧友を前に“凱旋(がいせん)”の踊りを披露し、温かい拍手に包まれた。花輪さんは「舞踊は身体そのものが芸術になる。その魅力を若い人たちに少しでも伝えていければ」と語り、さらに意欲を燃やしている。

11月2日山形新聞