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「歓喜」を全身で表現 南陽・花輪さんが舞踏を披露(S35卒)
2009年8月13日山形新聞掲載記事

花輪洋治さん

ライトアップされた石段で第9を踊る花輪洋治さん

 

 南陽市出身の舞踏家、花輪洋治さん(67)=神奈川県横浜市=が12日夜、古里南陽市の烏帽子山公園に上がる「おみ坂」石段をステージに、ダンスパフォーマンス「花輪洋治が踊る 第九」を繰り広げた。ベートーベンの交響曲第9番「歓喜の歌」第4楽章が流れる荘厳な雰囲気の中、前衛的な踊りが観衆を魅了した。
  花輪さんは1年かけて全国約30カ所を回り、訪問先の風土や文化に合わせた即興舞踏をソロで表現する「舞踏行脚」を計画。出発点に故郷赤湯を選び、第9表現に初めて挑戦することにした。赤湯温泉街一体で夏祭りが催されたこの日、午後9時に大勢の市民や観光客が詰め掛ける中、パフォーマンスを始めた。
  ライトアップされたおみ坂に第4楽章が流れると、花輪さんは苦悩から歓喜へと至る曲想に沿い、最上段からゆっくりと石段を降りながら静と動の踊りを組み合わせて「天からの降誕」「苦悩」「愛」「自然との対話」「啓示」を表現。歓喜のコラールが鳴り響く終盤には観客間近で音のシャワーを浴びるように天を仰いでクライマックスを迎え、惜しみない拍手に包まれた。終演後、花輪さんは「集中して見つめる表情など観客の反応が伝わってきた。この手ごたえを胸に舞踏行脚に出かけたい」と話していた。

8月14日山形新聞