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米沢織日常生活に・近賢織物、角帯の小物開発・全国展開視野 自社通販サイトも開発
(2021年3月24日山形新聞より)


角帯を織る技術を生かし、トートバッグやボトルケースなどの小物を開発した=米沢市・近賢織物

 米沢織の織元・近賢織物(米沢市、近藤哲夫社長・S55卒)は、得意とする男性向け「角帯」の織りの技術を生かした小物を開発し、インターネット上などで販売を始めた。着物離れに加え新型コロナウイルス禍で業界が打撃を受ける中、販売開拓を進めるとともに「日常生活で気軽に米沢織に触れてほしい」との願いがある。

 同社主力の角帯は百貨店などを通して販売され、全国に愛用者がいるが、ピーク時から売り上げが半減しているという。余った生地を活用し試作していた小物を本格的に商品展開し、5年で売り上げ全体の1割を占める部門に育てる考えだ。

 商品はトートバッグ、巾着、ブックカバー、ボトルケースなどを用意。帯に使われる厚手の綿生地で、太めの糸をしっかり打ち込んで織り上げており、耐久性に優れる一方、手になじむしなやかな仕上がりが特徴だ。道の駅米沢でのテスト販売の結果を踏まえ、赤、青、緑など売れ筋の色に絞った。小物商品の開発に合わせ自社通販サイト「赤い屋根の織物工場」も開設、全国展開を見据える。

 コロナ禍で繊維業界はダメージを受けている。人の移動がないことで冠婚葬祭などを含めた着物の需要が減り、同社も従業員を休ませた時期があった。こうした状況も商品開発やネット通販という新たな取り組みのきっかけとなった。商品開発は県よろず支援拠点、米沢商工会議所の支援を受け、通販サイト開設には市のオンライン化促進支援事業費補助金を活用した。

 近藤社長は「小物を通して米沢織の技術に触れ、最終的には帯、着物にも興味を持ってもらえるとうれしい」と語る。価格はブックカバーが1650円、ボトルケース2200円、トートバッグ1万6500円など。同社サイトのほか道の駅米沢、米織会館で購入できる。