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感染予防策、啓発が重要・経済に軸足は性急、医療崩壊阻止を・石橋正道さん(61・S53卒)
(2021年1月18日朝日新聞より)


感染拡大防止のため、マスク着用などの重要性を指摘する石橋正道さん(S53卒)
=米沢市信夫町の石橋医院

 今、県がやるべきことは新型ウイルスの拡大防止です。

 私自身、昨年4月に感染しました。PCR検査を受け、最初の2回は陰性でしたが、3度目で陽性と判定されました。せきなど呼吸器の症状がほとんどなかったので、初めはウイルスが少なかったのでしょう。そもそもPCR検査の感度自体が約7割とされており、陰性でも絶対ではありません。「周りにいる人は感染しているかもしれない」と考え、一人ひとりが対策を取ることが必要です。

 医院は4週間休診しました。再開後しばらくは患者さんが減り、国の持続化給付金を頂いたほどですが、再開2カ月後から、徐々に戻り始めました。

 行政からの依頼を含めて毎日数件のPCR検査を行っています。病院がパンクするのを防ぐため、開業医でも実施する必要があります。検査を受ける人は院内に入れず、駐車場で車に乗ったまま、私一人で検査します。感染した私にはウイルスの抗体があり、感染リスクが低いからです。

 予防策として、言い尽くされていますが、マスクの着用、ソーシャルディスタンスが大事です。冬場は換気や加温も重要です。行政にお願いしたいのは、その啓発です。テレワークの推進や外出制限なども効果があるので、しっかり検討してほしいと思います。

 感染拡大防止と経済の回復の両立を図ろうという意見もありますが、ここまで感染が広がった今は感染拡大防止に軸足を置くべきです。医療崩壊が起きると、ほかの病気の治療にも影響が出て、助けられる命を助けられなくなります。

 ワクチンの接種が2月以降、始まります。2回の接種が必要で、約8万人の米沢市民全員が受けるには、半年はかかります。経済に軸足を置くのは接種後からではないでしょうか。今、経済的な影響を受け、歯を食いしばって頑張っている人たちを支援することも行政の役割だと思います。

 ■専用病床 一時9割埋まる

 県内では昨年3月末、新型コロナの感染者が米沢市内で初めて確認された。昨年11月から新規感染者は急増し、累積感染者は今月4日に400人を超えた。

 これに伴って、県内の入院数は昨年12月中旬に100人を超え、県立中央病院(山形市)の専用病床は一時、9割以上が埋まった。同月22日には県内の医療団体代表らが「やまがた医療緊急事態宣言」を出し、「医療現場は、ほとんど崩壊の入り口」と訴えた。

 県も「新・生活様式の徹底」を掲げ、県民にこまめな手洗い・消毒などを呼びかけ続ける。今月、11都府県への緊急事態宣言が再発出されたことを受け、対象地域との不要不急の往来や、県外の人との会食自粛を要請している。