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山形の可能性広げたい「高い技術誇る産業、好循環につなげる」・須藤修さん(H18卒)
(2020年10月25日山形新聞より)


「泊まれるショールーム」実現目指すデザイナー・須藤修さん(33・H18卒)

 デンマーク出身の建築家で、家具デザイナーのフィン・ユール(1912〜89年)が手掛けた椅子を紹介するショールーム兼ホテルを県内につくろうとする動きがある。合同会社根を這う代表のデザイナー須藤修さん(33・H18卒)=山形市=が奔走している。思いを聞いた。

 ―椅子のショールーム兼ホテルとはどういうものですか。

 「椅子は座ってこそ良さがわかると思っています。朝起きて、歯を磨きながら、そうしたさまざまな日常の動作の中で座り心地を感じてほしいので、『泊まれるショールーム』を目指しています。朝日町にある朝日相扶製作所が10年ほど前から、フィン・ユールのデザインを復刻した椅子を作っています。庄内空港ビル3階に置いてありますが、国連にも椅子を納め、山形の職人の技術は世界的にも高く評価されています」

 ―デザイナーとして、どう関わるのですか。

 「デザインって、元々ある魅力を引き出して、今に合わせることだと思ってるんです。普段は、使い手の思いを引き継いで後世に残す家具のリペア、カフェやホテルの空間コーディネート、伝統工芸の魅力を引き出すデザインなどを提案する仕事をしています。デザインの力で山形の可能性を広げたいのです。オーナーの思いが生きる空間のバランスを調整したり、クリエーターと伝統工芸をつなげたり、『山形の編集者みたいなデザイナー』をしています。こうした活動の延長に、山形にある優れた技術で世界的に有名な椅子が作られていることを発信したい思いがあって、実現に向けて構想を練っています」

 ―伝統工芸とデザイン?

 「県内の工房を巡って職人に合い、工芸品の良さを引き出せる形を提案し、商品化につなげています。高い技術を誇る山形の産業を好循環につなげるディレクション(演出)をしていきたいと考えています。来月オープンするホテルメトロポリタン山形南館では、エレベーターホールに県内の伝統工芸職人を紹介するパネルと作品を展示する予定で、これを見た観光客らが伝統工芸品を手にするきっかけになればいいなと思っています」

 ―今後の展望は。

 「3年後のことは考えないんです。好奇心の赴くままにいろいろな経験をしたことが、今の仕事に生きています。困難に立ち止まったりすくんだりした時に、過去に出会った人に助けられたこともあります。今は『泊まれるショールーム』の実現が目標です」

県産材と一緒に暮らす・デザイナー・須藤修さん普及活動(2018年5月4日山形新聞)