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人と街つなぐ拠点担う「幅広い世代が親しめるシンボルに」
旧長井小第一校舎の施設長・平みわさん
(2020年9月27日山形新聞より)


旧長井小第一校舎の施設長・平みわさん

 「学び」と「交流」がコンセプトの長井市の旧長井小第一校舎(国登録有形文化財)。1933(昭和8)年建築の木造2階建て校舎の保存・利活用を図ろうと市が大規模改修を施し、昨年4月に開館した。貸室やフリースペースの利用が順調な上、指定管理者の主催事業などが人を呼び、来館者は今月24日に10万人を突破。新拠点として注目度が高まっている。施設長の平みわさん(46・H4卒)=同市白兎=に、人が集まる要因や今後の展望を聞いた。

 ―来館者数が順調に推移していますね。

 「昨年度の来館者数は、想定の1.5倍の延べ7万2744人となりました。利用の種類は貸室、見学、観光、イベント、高校生などの学習、フリーですが、満遍なく利用していただいています。最近はコロナ禍以前の水準に戻ってきました」

 ―指定管理者アクティオ(東京)が企画する定期的な主催事業はどうですか。

 「毎月の工作ワークショップや、小学生が社会の仕組みを体験的に学ぶイベント『こどものまち』などが人気を集めました。簡単な体力測定で人工知能(AI)が自分に合ったスポーツを診断してくれる『ディグスポーツ』は、東京の指定管理者ならではのプログラムだと思います。

 「大人向けの英会話講座やヨガ体験など、参加のハードルを下げ、気軽に楽しめ、ためになる内容を考えています。参加者数を求めるのではなく、学びの意欲やリピーターを生み、波及効果につなげていく視点が大事だと思っています」

 ―来館者数を迎える側の心がけは。

 「職員とスタッフ合わせて13人体制の運営ですが、利用目的によって臨機応変に対応し、子どもと同じ目線で話しかけるなど、プラスアルファの対応を意識しています。コロナ禍で今年4〜5月に休館した際には、職員が工作を教える動画や、スタッフチャンネルとしてマスク作り動画を投稿サイト『ユーチューブ』で配信しました。自発的なアイデアが形になっています」

 ―第一校舎の今後は。

 「先月30日に屋外スペースで市内の事業者が参加して『朝ごはんマルシェ』を初開催し、好評でした。来館者アンケートでもマルシェ開催は40〜50代の希望が多いです。個人的な構想ですが、例えば複数の場所で同時開催できないでしょうか。市街地に人を誘導するという第一校舎のコンセプトにもつながります。音楽イベントも組み合わせれば面白いのかなと思います」

 「公共施設整備が進みマチの形が変わりつつある長井で、何かを発信し、つなげて、人を誘導する、全体をつなぐハブ(拠点)の役割を第一校舎が担えればと考えています。利用の多い若者も含め、幅広い世代が親しめる長井のシンボルになれたらうれしいです」

 ■平みわ(たいら・みわ)高畠町出身。経営コンサルタント事務所で勤務し、結婚を機に退職し長井市に移住。コミュニティーFM「おらんだラジオ」立ち上げに関わり、保護者としては市PTA連合会長を経験。市の早期国語教育プロジェクトにも携わった。昨年10月から現職。