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伊達氏ゆかり共に活性化へ・米沢から仙台結び交流「三日月街道」計画始動
(2020年8月8日山形新聞より)


地域の事業者らが集まった「伊達三日月街道活性化協議会」の設立総会
=7月29日、米沢市赤芝町・古民家孫太郎

■運営組織結成 赤芝地域のマップ制作

 米沢から仙台まで、伊達氏ゆかりの地域をつなぎ、地域同士が交流しながら共に活性化を目指そうとするプロジェクトが、米沢市赤芝町で立ち上がった。プロジェクトの名前は「伊達三日月街道」。米沢生まれの初代仙台藩主・伊達政宗のかぶとの前立ての形から名づけられた。赤芝地域は今年秋までに地域マップを完成させる計画で、同じコンセプトのマップ作りを他地域にも広げていきたい考えだ。

 プロジェクトの発端は、赤芝町の知名度向上を図ることだった。発案者は同所の「古民家孫太郎」オーナーの進藤俊彦さん(S50卒)。赤芝町内にはカフェや温泉、フリースクールなど、さまざまな分野で活躍する店舗や事業所がある一方、市街地方面では「小野川温泉の手前」という認識が広がり、進藤さんは町自体の知名度は高くないと感じていた。店舗や事業者をつないで地域の魅力を発信するマップ作りを発案した際、赤芝町の「伊達の里」としての姿が頭に浮かんだ。

 同町は伊達氏ゆかりの舘山城や舘山寺に近く、進藤さんの祖先も伊達氏に仕えていたという。伊達氏に関係する史跡や伝承はこの地域だけでなく、置賜各地に残り、福島、宮城両県にも広がる。「伊達」を共通項にして地域おこしのネットワークをつなげたいと、三日月街道の構想を練り上げた。米沢より南には会津、仙台より北には岩出山など関係地は多くあるが、まずは舘山城と仙台城の間の各地に活動を広げることを目指す。


 他地域への拡大の動きを具体化させるのは、来年以降を想定している。現在は、赤芝町周辺の地図を完成させ、活動を軌道に乗せる段階だ。先月には赤芝町内の事業者に舘山寺を加えた7者を正会員とした運営組織を立ち上げ、進藤さんが代表に就任。置賜地域ゆかりのデザイナーやイラストレーターに制作の依頼をする手はずを整えている。

 マップは赤芝町内と、北側の舘山寺、舘山場周辺までを範囲とし、町歩きを想定して店舗や史跡などの情報を盛り込む。制作資金には、市の共同提案制度補助金も活用する。ホームページでの情報発信も計画している。

 マップはA4判で、今年10月に千部の発行を予定している。進藤さんは「それぞれの地域の関連団体や住民、行政などが有機的に連携し、新しい“街道”地域の活性化を図りたい」と話している。