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風流は離れてなお・みちのく連歌会・郵便、ファクスで活動
(2020年6月17日山形新聞より)


メンバーから届いた作品をまとめる「宗匠」の高野譲会長(S29卒)

 句を待つ時間も 楽しみに変えて

 新型コロナウイルス感染症の影響で、「3密(密閉、密集、密接)」を避ける新しい生活様式が求められている中、置賜地域で活動する「みちのく連歌会」(高野譲会長・S29卒)は作品を郵便、ファクスで投稿し合う手法で活動を展開している。インターネット世代はオンライン会議、会合が一般的になっているが、ベテラン世代は従来のメディアを活用し“コロナ時代”の文芸を楽しんでいる。

 会員は6人。年代は30〜90代と幅広いが、大半は70代以上の高齢者だ。例年、年に3度ほど会合を持ち、連歌会を楽しんでいたが、コロナ禍の影響で、全員が集まることを控えている。それでも長年続けてきた楽しみでもあり「何かできないか」と思案していたところ、最年少メンバーが”沿革連歌”を提案した。

 使用するメディアは比較的、多くの家庭に備わっているファクスに決めた。ファクスがないメンバーは郵便を使用。従来の連歌会では、最初の発句以降はその都度、出席者全員が考えて披露し、批評し合って選んでいたが、遠隔連歌会ではあらかじめ順番を決めた。当番者は句ができ次第、全体の進行を取り仕切るリーダー役の「宗匠」(高野会長)に送るルールとなっている。

 その場で次の句をつないでいた従来の連歌会と比べ、時間はかかるが「どんな句が来るんだろうと、待つ時間も楽しみ」と高野会長。5月初めにスタートした。44句で構成する「世吉連歌(よよしれんが)」で、今月中旬現在、4巡目に入ったという。全国的に新型コロナウイルス感染症に対応した生活が求められる中、高野会長は「これまで取り組んできたことも、工夫すれば形を変えて続けていくことができる」と感慨深げ。「興味を持った人がいれば、参加してほしい」と話していた。

 ◆連歌 五七五の長句と七七の短句を交互に付け合い、次々に場面を変化させていくことを楽しむ文芸。室町時代に最も盛んになった。元来は100句読み続ける百韻が基本だが、半分の五十韻、44句の世吉、36句の歌仙など、さまざまな形態がある。