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日本森林学会認定・草木塔群林業遺産に・県内初「八谷の留め場跡」も
(2020年5月28日山形新聞より)


1780年に建立された米沢市内最古の草木塔

 草木の恩恵に感謝して霊魂を供養する「草木塔」など、山との暮らしを伝える米沢の遺産群が27日、日本森林学会の「林業遺産」に認定された。同遺産の認定は2013年度から実施しており、本県からの認定は初めて。

 認定名称は「米沢市の山との暮らしを伝える遺産群 草木塔群と木流し」。同市の江戸時代の草木塔17基と、川を使って木材を運搬する際の一時保管所の「八谷の留め場」(同市田沢地区)が対象になった。山村住民の草木に対する思いや、江戸時代に始まる大規模な木流し(木材流送)を物語る遺構であることなどが評価された。草木塔は同市西部の田沢地区を中心に置賜地区で多く建立され、平成以降にその精神が全国や海外にも広がった。現在では海外も含めて200基以上が確認されているという。市内で最も古いものは、米沢9代藩主上杉鷹山時代の1780(安永9)年に建てられた。木流しは昭和前期まで行われ、小樽川の八谷の留め場から流された木材は、市内木場町まで運ばれていた。

 草木塔群の保全継承活動をする「おいたま草木塔の会」と、田沢地区の森林保全などを行う地元住民組織「田沢自彊会」で会長を務める大友恒則さん(S35卒)は「長く林業に依存してきた田沢地区の歴史を評価してもらい、うれしい。多くの人に知ってもらえるのは誇らしく、自分たちの生活を支えてきたものについて改めて振り返りたい」と話した。

 同遺産は、林業発展の歴史を示す景観や施設、地域独自に発展してきた林業技術などを認定。今回は2019年度の認定として、米沢市を含む6件が認定された。