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母娘・童話8編の輝き・同人誌掲載の作品集出版・日常や想像、物語紡ぐ
白鷹・中川栄子さん(S54卒)埼玉・石原縁さん
(2019年8月20日山形新聞より)


執筆した童話を集めた「すばる―八つのきらめく物語」を出版した中川栄子さんと長女の石原縁さん
=白鷹町十王

 白鷹町蚕桑小学校長の中川栄子さん(58・S54卒)=同町十王=と長女の石原縁さん(31)=会社員、さいたま市=が、約20年前から制作を続けている童話をまとめた「すばる―八つのきらめく物語」を出版した。同人誌発行サークル「青おに童話の会」活動でそれぞれが執筆した計8作を収録。日常からもヒントを得て、創作の世界を味わい深く表現している。

 童話制作との出会いは、緑さんが小学6年生の頃。2人は高畠町の浜田広介記念館で「童話の書き方講座」に参加して魅力に触れ、翌年、青おに童話の会に入会した。年代の違う他の書き手との交流も楽しみながら、これまでに同人誌「青おに」にそれぞれ10作程度を出した。

 すばるにはその中から抜粋した各4作品を掲載。母娘だが、作風は違う。栄子さんは自身の愛猫や学校現場の経験を基にし、方言も多く使用。学校の楽器演奏コンクールに向けた情景を3匹の猫の視点から描写した作品には、実際に勤務した小学校近くで拾った愛猫「クロ」も登場させた。

 子どもの頃は作家志望だったという縁さんは「中川ゆかり」のペンネームで想像の物語を表現。届け物の依頼を受けるアリ一家の奮闘や、博士から「心」をもらったロボットが感情を基に行動する様子、少女と妖怪の交流をほのぼのと描いた。

 栄子さんは「思春期の娘とも童話を通じて会話し、つながることができた」と振り返る。今年5月には縁さんが長男悠人ちゃんを出産し、母娘にとっては出版と合わせて二重の喜びとなった。里帰り中の縁さんは「執筆を続けて良かった。早く本を読んであげたい」と腕の中の悠人ちゃんに笑いかけた。

 A5判136ページで、同会会員の近野かずえさん(高畠町)が挿絵を担当した。1728円。県内の書店で販売、注文を受け付けている。問い合わせは銀の鈴社(神奈川県鎌倉市)0467(61)1930。