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英語多読にチャレンジ・月1回、読書会企画・米沢市立図書館
(2019年7月13日山形新聞より)


米沢市立図書館に開設した「英語多読コーナー」。
現在は1000冊を貸し出し対象としている=米沢市

 辞書使わず わからないなら飛ばす 絵から連想

 「辞書は引かない」「わからない言葉は飛ばす」など、絵本をベースにして従来の語学とは一線を画した英語学習「多読」の普及に、米沢市立図書館(岸順一館長・S51卒)が本年度から本腰を入れ始めた。最初は文字すらない本から始め、「少しずつ」単語と絵のシーンを結び付け、読むレベルを上げていくのが特徴だ。「いつの間にかスラスラ英文を読み進めている」と実感できれば「しめたもの」といい、月1回の読書会も企画している。

 全ての日本人が英語教育で学んでいるのに、実社会で使いこなせていないとの声は根強い。その一方、定年後に学びなおしたい強化のトップが「語学」との調査結果もある。2020年度からは小学3年生以上で英語科目が必修になるなど、英語を取り巻く情勢は大きく変化している。

 同図書館は、NPO法人多言語多読理事長の酒井邦秀さんが提唱する「多読」に着目。国が進めるインバウンド(海外からの旅行)政策の影響で、米沢市内でも今後、英語と母国語しか話せない観光客が増えると予想されることから、市民の英語力向上に寄与しようと企画した。

 外国語学習は、わからない単語や文法でつまづくと一気に学習意欲が失せる傾向が強い。この“痛点”に対して、「多読」は▽分からない言葉は飛ばす▽辞書は引かない▽飽きたら一度辞める−の三原則でフォローする。初級編は文字のない絵本からスタート。次第に1ページ1単語、1ページ1文節などと、ゆっくりレベルアップしてくのが特徴だ。単語が示す意味は、絵から連想できる仕組みとなっている。

 多読で使用する本は、読みやすさを意識して1冊当たりページ数が極端に少ないため冊数が膨大となる。個人でそろえるのは困難なことから「そこは図書館の出番」(岸館長)。現在、多読関連の絵本は約1500冊あり、うち千冊を貸し出している。

 今月15日に「英語多読」をテーマにした講座を開くほか、第1回の読書会「英語多読サロン」を8月24日午後2時から開催する。問い合わせは同図書館0238(26)3010。