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地元の歴史、文化を吸収・山形大学地域教育文化学部・藤田洋治教授(日本文学・S49卒)
(2019年1月28日山形新聞「地域と学ぶ」より)


フィールドプロジェクトに取り組む学生たち=2018年9月、東根市六田地区

 平安時代の和歌を中心に研究してきました。大学で日本文化を中心とした授業を担当し、教員を養成し続けて、ずっと心配してきたことがあります。それは専門的な知識は身に付けていても、教員となった場合に専門的な知識だけでは、あまりに危ういということです。もっと足元をしっかりと見つめてほしいということです。

 わが学部、地域教育文化学部では、フィールドプロジェクトという必須科目があります。本年度は「まちづくりと社会参画」や「地域貢献」など11講座が用意され、その中から一つを学生が選択することになっています。地域密着型の地域から学ぶ・地域で学ぶ・地域を学ぶ授業科目として立ち上げたものと聞いています。

 その中で、「地域の自然・景観」というテーマで、地学の大友幸子教授と共に一つの授業を担当しています。「アルカディア街道IB(イザベラ・バード)倶楽部」の活動に参加して、イザベラ・バードの足跡をたどりながら、それぞれの地域の文化や歴史、景観を見たり、保存している方の話を聞いたり、そのような活動をしています。昨年は、そのIB倶楽部が中心となって開催した「とうほく街道会議」山形大会の手伝いが中心となりました。

 金山町や東根市六田地区を散策して、学生たちは通り過ぎるだけの地域に、すごい文化があることに気付いただろうと思っています。例えば、江戸時代の羽州街道を実際に歩いたり、金山の景観に驚いたり、また六田宿がなぜ麩を作っているのかなど、訪れて実際に見てみないと気付かないことの方が多いと思います。

 鶴岡や米沢、酒田や新庄などに、江戸時代の書籍がたくさんあるので、それを地域の方々と共に発掘して、地元の文化を継承してほしいとも思うのですが、そのような活動にもますます力を入れていきたいと考えているところです。


日本文学 藤田洋治教授(S49卒)

▽1955年、川西町出身。山形大着任は2015年。

1月28日山形新聞