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置賜の食文化「受け継いで」・米沢の有志ら・伝承料理に110品目
(2018年11月29日朝日新聞より)


置賜地方の伝承料理集をまとめた福崎真知子さん(S43卒・前列右)たち=米沢市役所

 置賜地方に伝わる保存食と発酵食をテーマにした「おきたま伝承料理集 つなぐ」が出版された。「ファストフードや加工食品に頼る若い世代の増加」に危機感を持った米沢市民有志らによる「おきたま食文化研究会」がまとめた。代表の福崎真知子さん(68・S43卒)は「料理集がこの地の食文化の見直しのきっかけになればうれしい」と話している。

 同研究会は今年2月に発足した。置賜地方には「手間暇ごちそう」という言葉があるといい、福崎さんは「手間暇を惜しまない。心を込める。家族が喜ぶおいしい料理を作る。そういう食文化が受け継がれてきた」と話す。また、災害時などに役に立つ保存食や発酵食について紹介することを「時代が求めているとも感じる」と言う。

 若い世代に受け継いでほしい郷土料理として、置賜地方を代表する伝承料理の「冷や汁」や塩引き寿司、アケビの干し煮、米沢牛の粕漬けなど約110品目を紹介。レシピは米沢市内の料理店「吉亭」女将の吉沢和美さんらが提供した。米沢栄養大学の専門家の指導も受け、材料や調味料の分量をまとめた。ゼンマイやナス、ダイコンなどの干し方や戻し方保存方法も盛り込んだ。

 アドバイザーを務めた、たかはた食文化研究会(高畠町)の島津憲一顧問は「保存食は伝承料理の要。伝承料理に通じれば、合理的なうまみの組み合わせを知ることになる」と話す。

 全体のコーディネーターを務めた宮城大学(宮城県)の宮原博通・元教授は「干すことによって栄養価が大きく上昇する。この太陽の恵みをいただくことで、心が豊かになり健康づくりに役立ち、家族や地域社会の絆を深めていくことにもなる」と話している。

 本はA4判で72ページ。5千部を出版。1500円(税別)で、置賜地方の書店などで販売している。問い合わせは研究会事務局(0238・28・4649)へ。

 研究会は12月1日に長井市民文化会館で、置賜の保存食と発酵食をテーマにしたシンポジウムを開く。午後1時半から3時半。入場無料。

11月29日朝日新聞