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日々の情報・蓄積が必要・米沢信用金庫理事長・加藤秀明さん(S47卒)
(2018年10月19日山形新聞より)


米沢信用金庫理事長 加藤秀明さん(65・S47卒)

 −業界の現状は。

 「スマートフォンを使ったキャッシュレス決済など、金融分野の技術進歩は加速度的に進んでおり、金融機関に出向かなくても多くのサービスを受けることができる時代が到来しつつある。信用金庫はどんなに機械化が進み、便利になってもお客様との触れ合いや会話を大切にしながらフェース・トゥ・フェースで、良いサービスを提供したいと考えている。日本経済は人口減少や地方の疲弊が足かせとなり、飛躍できない状況にある。地域社会を活性化させるためには地方自治体や商工会議所、地元企業、住民が一丸となって地域の自然、文化、産業を有効活用しようとする取り組みが大事と考える」

 −求める人材は。

 「第一に、地域や住民とともに生き、明るく元気で進取の気性に富んだ人材が必要だ。昨今の金融分野は、グローバル化と国際的な規制強化に加え、テクノロジーの進展や顧客ニーズの多様化など変化が著しい。対応するには情報感知力と分析力はもちろん、課題と対応策を見いだし行動に移す力が求められる」

 −人材育成にはどう取り組んでいるのか。

 「財務、法務、企業分析などの専門知識を生かすには、土台となる一般教養をしっかり身に付けておくことが必要だ。それには普段からさまざまな分野に関心を持ち、情報を蓄積しておくことが求められる。毎日、新聞を丁寧に読むことが一番いい。特に地方紙は多様な地域情報が満載なので効率的に『地域を知り、企業を知り、交友関係を知る』ことができる」

 −仕事上で影響を受けた人物は。

 「前米沢商工会議所会頭の酒井彰氏から『組織のトップとして使命感、無私、現実処理能力、詩心』の大切さを学び、県観光物産協会副会長の内藤文徳氏からは『一歩踏み出す勇気』を教えてもらった。さらに、これまで3人の理事長に仕えた。4代目理事長の青木厚一氏は『至誠、努力』、5代目の岩間弘一氏は『報恩、感謝』、前理事長の種村信次氏は『微差積差』を大事にされていた。それぞれ実践している姿を目にすることができた。それが今の自分の行動指針となっている」

 私と新聞−活性化のヒント ぎっしり

 加藤秀明理事長は朝起きてすぐに山形新聞に目を通す。最初に読むのは「おくやみ欄」。お世話になった方の名が「載っていないだろうか」は常に気にかかる。その後、1面、経済面、社会面をじっくり読むのが日課だ。

 「地域面は楽しい話題が中心なので安心して読むことができる。精神衛生によい」と語る。それぞれの地域で住民が生き生きと活動している様子を知ることができ、「活性化に向けたヒントがぎっしり詰まっている」と強調する。

 談話室などのコラムは「物事に対して多様な見方や考え方を知ることができて勉強になる」と語る。

■加藤秀明氏(かとう・ひであき) 中央大学経済学部を卒業後、1977(昭和52)年に入庫した。常務理事、専務理事などを経て2014年から現職。米沢市出身。

■米沢信用金庫 1926(昭和元)年設立。置賜全域と山形、上山両市を営業地域とし、13店舗を構える。出資金は6億8千万円。会員数は1万5443人で、常勤役職員数(パートを含む)は177人(いずれも今年3月末現在)。本店は米沢市大町5の4の27。

10月19日山形新聞