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手紙を通し知る内面・浜田広介(T3卒)の書簡展・高畠
(2017年8月22日山形新聞より)


童話作家浜田広介が友人や親族と交わした手紙などが並ぶ書簡展=高畠町・浜田広介記念館

 高畠町出身の童話作家浜田広介(1893〜1973年・T3卒・本名:濱田廣助)が親族や友人と交わした手紙を紹介する書簡展が、同町の浜田広介記念館で開かれている。飾らない言葉でやりとりがなされており、同館の島津正道館長は「傑作の下地となった浜田の内面を感じ取ってほしい」と話している。

 手紙やはがきのほか、浜田の写真など48点を展示している。浜田が早稲田大に進学した1914(大正3)年の書簡は、親戚の荒井さよさんとの交流が中心。米沢中(現米沢興譲館高)時代から苦学生の浜田を支えた荒井さんに「無いものばかりで閉口する」「医者にも行けない始末」と窮状を訴え、お金の工面を依頼。荒井さんの「心配しないで勉強しなさい」という返書もあり、2人の信頼関係が読み取れる。

 戦中戦後の書簡は妻トクさんに宛てたものが多い。高畠町に疎開していたトクさんに対し、東京の自宅周辺の空襲被害を絵で知らせたり、出版社からの印税支払いの報告を「まことに安堵の思い」と喜んだりと、混乱期の生活ぶりや浜田の実直で素朴な人間性だ伝わってくる。

 展示は9月3日まで。月曜休館。