東北行政相談委員連合協議会長に就任・渡部秀一さん(78・S32卒)
(2017年7月12日山形新聞より)
東北行政相談委員連合協議会長に就任・渡部秀一さん(長井市・78・S32卒)
「市民からいろいろな意見を聞いて国を動かす。改善事例を増やし、『安心のよりどころ』になりたい」。東北6県約530人の行政相談委員の長として、力強く抱負を語る。
飯豊町出身。米沢興譲館高から中央大法学部に進み、1968(昭和43)年、長井市で司法書士事務所を開業した。長い間、地域貢献を積み重ね、瑞宝双光章、市政功労者など数多くの表彰を受けた。仙台市で6月6日に開催された理事会で会長に選任された。
行政相談委員は総務大臣が委嘱。行政機関などに対する苦情の相談に応じ、通知するのが役目だ。
行政相談委員法第4条に「総務大臣に対して、業務の遂行を通じて得られた行政運営の改善に関する意見を述べることができる」とある。「この4条が最大の使命」と語る。
これまで、離島の大学入試センター試験実現や、津波警報・注意報の表示の統一など、改善事例は数多い。しかし、あまり知られていないのではないか。「議論は答えを得るためのもの。不毛でない。帰結の見える議論を心掛けたい」
国を変えるエネルギーは若い人にある。「山形の学生と、国の将来や改善点について対話してみたい」と目標を口にする。
趣味は野球観戦、読書、クラシック、城郭巡りと幅広い。文学が好きで、「興譲館時代には学生かばんに原稿用紙を入れ、駄文を書いていた」。
好きな言葉は「人みなわが師」。「徒然草にある通り、どんな人でも『よき一言』は口にする。学ぶべきことがない人はいないと、最近つくづく思う」。妻と二人暮らし。