藩校興譲館、米沢中学、米沢一高、米沢西高、米沢興譲館高と続く米沢興譲館同窓会公式サイト

ホームページロゴ

湯守のいる湯・【山形県】白布温泉・東屋旅館
(トランヴェール2017年2月号より)


藩政時代から大事に使い続けている「滝風呂」の石の湯船

 真っ白な雪景色が広がる真冬の白布温泉。米沢の奥座敷で、正和元(1312)年に開湯した古湯である。この地で700年以上の歴史を刻む東屋旅館では、38代目館主の宍戸康裕さん(S36卒)が湯守を務めている。鎌倉時代から江戸期を経てなお、湯守の家系を継承しているのは珍しいケース。米沢藩初代藩主の上杉景勝がこの湯につかった折にも、宍戸さんの先祖が湯を整えたのかと思うと、感慨深いものがある。


【湯守】宍戸康裕さん(S36卒)

 木造りの内湯「滝風呂」で、どおどおっと音を立てて勢いよく湯滝が流れ落ちる。これを受け止める石の浴槽は、なんと400年前から使い続けているものだという。その下に立てば、さながら滝行のよう。整体効果も期待できる湯滝を肩や背中にあて、圧倒的な力をしっかりと受け止めたい。


雪に包まれた露天風呂も風情あふれる(写真は男性用)

 「この時期は、露天での雪見風呂も気持ちがいいですよ。空気が澄んでいるので、夜は満天の星が楽しめます。」と宍戸さん。岩や木々にこんもりと積もる雪を眺めつつ、やわらかな肌ざわりの湯につかる。名将たちは、白布の湯を浴びながら戦術を練ったのだろうか。歴史に思いを馳せるのもまた一興だ。

湯守のお湯ばなし
藩政時代には上杉家の“借り上げ別荘”のような役割をしていました。

江戸時代に上杉家の“借り上げ別荘”のようなものに指定され、殿様やご家老もつかったいで湯です。昭和40年代前半までは病院の紹介客もいらっしゃり、特に脳神経の病に効くと言われていました。最近ではストレス性の皮膚発疹にもいいと、近隣の方々も通ってくださいます。1日3回、夕食前、就寝前、朝食前がおすすめの入浴時間ですね。


白布温泉 東屋旅館
●泉温:約60度 ●泉質:カルシウム硫酸塩泉 ●効能:胃腸病・神経痛等神経諸症・慢性皮膚病(源泉での分析結果による) ●湧出量:約1500(リットル/分)
■風呂:滝風呂(大浴場)・家族風呂・石風呂・露天
※石風呂・露天に真水・湯(沸かし湯)・上がり湯の設備(シャワー・カラン)はありません(石風呂のみ真水の設備あり)。 
加水あり 加温なし 掛流し
※滝風呂(大浴場の打たせ湯)のみ、温度を下げるため加水あり