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故郷の山に誓う愛・米沢・天元台高原・佐藤さん夫妻結婚式
(2016年6月5日山形新聞より)


西吾妻を望みながら「幸福の鐘」を鳴らす佐藤正樹さんと志乃さん(H14卒)=米沢市・天元台高原

 新緑に囲まれて永遠の愛を誓う−。西吾妻山(2035メートル)が夏山開きを迎えた4日、中腹に広がる天元台高原で人前結婚式が行われた。新郎新婦の親戚や友人のほか、シーズンを待ちわびた登山客も2人の門出を祝福した。
 式を挙げたのは千葉県習志野市の会社員佐藤正樹さん(35)と米沢出身の志乃さん(33・H14卒・旧姓:近藤)。両親はペンションを経営しており、志乃さんは高校卒業まで同高原で過ごした。「夫の家族に生まれ育った風景を見せたい」。これがここを式場に選んだ理由。「若いころはあんなに出て行きたかったのに。自分を育ててくれたこの眺めが、今はとてもいとおしい」。そういって18年間、毎日見てきた西吾妻山を改めて仰いだ。
 黒いスーツに銀色のちょうネクタイを締めた正樹さんが純白のウエディングドレスの志乃さんの手を携え、青空の下に設けられた式場に登場。声を合わせて誓いの言葉を述べ、指輪を交換した。2人で赤いじゅうたんを進み、高原を見渡す小高い丘に立つ「幸福の鐘」を鳴らすと、友人や親族、登山客から大きな拍手が送られた。
 志乃さんの母・近藤文子さん(59)は、「この高原で式を挙げたいと言ってくれたときはうれしかった。また家族が集まる日が待ち遠しい」。父・明さん(60)は「いつかこの日が来ると思っていた」と唇を震わせ「また西吾妻を見たくなったらいつでもおいで」と少し上を向いて涙をこらえた。
 正樹さんは「吾妻の新緑よりまぶしい妻のウエディングドレスが見られて良かった」。志乃さんは「無理な願いをかなえてくれた皆さんに感謝したい。2人で幸せな家庭を築きます」と笑顔で話していた。

6月5日山形新聞