松野会長しのび追悼号 米沢の英語教員団体の機関紙 教え子ら寄稿
(2013年4月19日山形新聞)
松野良寅さんの思い出をつづった追悼号を手にする手塚宮雄会長(S41卒)。
手前は松野さんの著書=米沢市
辞書持ち常に勉強/師匠そのもの
米沢市内の英語教員らでつくる米沢英語研究懇話会(手塚宮雄会長・S41卒)が、機関紙「ACORN(エーコン)」第26号を発行した。初代会長で昨年3月に85歳で亡くなった松野良寅さんを追悼する内容で、松野さんへの思いをつづった会員らの寄稿文が掲載されている。
同会は、置賜地区の英語教員の指導力向上を図ろうと、松野さんの呼びかけで1987(昭和62)年に設立。現在は一般・賛助会員の計32人が所属しており、例会を年3回開催、機関誌を毎年発行している。
松野さんは山形大、東北芸術工科大の教授を歴任したほか、日本英学史学会と日本英語教育史学会で要職を務めた。懇話会の会長在任時は両学会から専門家を米沢に招き、例会での講話を積極的に依頼。地元の英語教育充実に力を尽くした。英語教育史を専門としながら、米沢の歴史や本県の教育史などさまざまな分野で著書を残している。
機関誌は通常、会員らが例会で発表した研究内容の紹介が中心だが、26号は松野さんの死を受けて関係者の寄稿文を多数掲載。おのおのが思い出を振り返り、死を悼んでいる。松野さんの著書からも一部を転載した。
手塚会長は、米沢興譲館高で松野さんの教え子だった。常に辞書を持ち歩く勉強熱心な姿が強く印象に残っているといい「自分にとっては師匠そのもの」と懐かしがる。
大学卒業後は、松野さんの背中を追いかけるように高校の英語教師になった。学生時代には厳しく、懇話会の発足後は温かく励ましてくれた恩師には深い縁を感じている。
26号は100部発行し、会員や関係者に配布した。市立米沢図書館や県立図書館にも寄贈しており、両館で閲覧できる。