音楽で被災者に力 100回目のスイート・コンサート 松倉とし子さん(S48卒・ソプラノ歌手)
(2011年4月15日山形新聞)
100回目の「十一屋スイート・コンサート」への思いを語る松倉とし子さん(S48卒)=山形市
山形市在住のソプラノ歌手・松倉とし子さん(S48卒)が同市内の菓子店「十一屋」本店レストランを会場に開催してきた「十一屋スイート・コンサート」が28日で100回を迎える。音楽と歌詞を楽しむ場をつくりたいと、1984(昭和59)年にスタートしたイベント。松倉さんは「震災があったばかりで開催を迷ったが、音楽が少しでも被災者の力になるように願っている」と話している。
オペラ歌手として活躍した松倉さんが「クラシックを気軽に楽しんでほしい」と結婚を機に始めた松倉さんが企画から出演者との交渉、チラシ作り、当日の司会まですべてを一人でこなし、フルートやピアノなどの演奏を中心に年4回開いている。
印象深いのは憧れの作曲家・故中田喜直さんと一緒にコンサートを開いた第7回。その後も交流は続き、中田さんはコンサートの主題歌「お茶とお菓子と音楽と」を作曲し、プレゼント。松倉さんは「中田さんをはじめ、音楽に情熱を傾ける多くの仲間があって続けることができた」と振り返る。
東日本大震災では宮城県石巻市に住む松倉さんの妹も被災。自宅が津波にのまれ、避難生活を続けている。「こういう時だからこそ、歌やメロディーで夢や生きる力を届けたい」と実感を込める。
100回記念のコンサートは、28日午後6時半から山形市民会館で開く。松倉さんとテノール歌手相沢伸彦さん(山形市)、ピアノ六重奏「東京カンマーコレーゲン」(東京)、ピアノカルテット「渡辺匠とセレニティ」(東京)が出演。ディズニーアニメの挿入歌やウインナワルツ、童謡など、耳なじみのある曲を多く盛り込む。
入場料は2千円で、全席自由。会場で東日本大震災の被災者への義援金を募る。問い合わせは十一屋本店023(622)0011。