「デジタル紙芝居」上映 文化、歴史の物語創作する川西町教育長 高橋武夫さん(白鷹・S39卒)
(2010年2月20日山形新聞掲載記事)
(2010年2月20日山形新聞掲載記事)
白鷹町蚕桑地区にちなんだ物語を創作した川西町教育長の高橋武夫さん(S39卒)
パソコンを使ってデジタル紙芝居に仕上げた。
川西町教育長の高橋武夫さん(64・S39卒)=白鷹町高玉=は、地域の文化、歴史に焦点を当てた物語を創作している。昨年は白鷹町蚕桑地区にちなんだ物語で紙芝居を作成した。イラストをデジタルカメラで撮影、自身の朗読を録音し、パソコンのプレゼンテーション用ソフトで編集。完成した「デジタル紙芝居」を地域の公民館などで“上映”している。
蚕桑地区にちなんだ物語の題は「おかいこ姫の恩返し」。同地区で盛んだった養蚕の歴史に注目した。主人公は勤勉な農家の青年。ある吹雪の日、雪に埋もれたカイコガを助ける。カイコガは乙女に姿を変え、青年のもとを訪ねて織物で恩を返す―という内容だ
養蚕の歴史を後世に伝えようと、2008年ごろに創作を開始。紙芝居の絵には地元の景色を描き、親しみやすさを与えた。当初は口頭で語り聞かせるつもりだったが、劣化することなく長く残る作品にしようと、デジタル化を思い付いた。
蚕桑地区では現在、地元住民らがフラワー長井線蚕桑駅周辺のにぎわいづくりを展開している。高橋さんも活動に参加。昨年実施された田んぼアートでは「おかいこ姫」の文字が題材になった。地元の音楽グループと連携し、地区にちなんだ歌の作詞にも取り組む。今後は川西町に関する物語も作りたいという高橋さん。「創作は地域の魅力に目を向けてもらうためのきっかけづくり。教育や地域活性化に役立ててもらえたらうれしい」と語った。