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アプリで簡単、在庫管理 ネット公開、ユーザー国内外3万4000人 米沢の田村寿英さん(33)
(2016年11月17日毎日新聞地方版より)


在庫管理アプリを紹介する田村寿英さん(H14卒)

 二次元コードなど活用
 世界一使いやすいクラウド型の在庫管理アプリを目指して開発に取り組む若者が米沢市にいる。スマートフォンやタブレットなどでバーコードや二次元コードを撮影し、簡単に在庫状況を把握できるのが強みだ。2013年春にインターネットで無料公開したところ好評で、国内外のユーザーは約3万4000人に上る。同市花沢の「ZAICO」社長、田村寿英(としひで)さん(33)は「世界で役立つツールにしたい」と意気込む。

 市販の在庫管理ソフトは商品番号を打ち込んで管理するタイプが多いのに対し、田村さんが開発したアプリ「スマート在庫管理」はバーコードや二次元コードで管理する。お試しの無料と、月350円に抑えた有料のプランがある。また、日本語だけでなく英語の切り替えができ、ユーザーは中国やタイ、ブラジルなどに広がる。「大手企業はバーコードで管理しているが、中小企業ではお金がかかり十分に管理できていない」とする。

  田村さんは、県立米沢興譲館高校を卒業後、福島県立会津大、東京工業大大学院に進学。コンピューターによる画像認識とロボット工学を学び、東京の情報技術(IT)企業に就職した。13年に米沢に戻り、実家の倉庫会社「田村倉庫」に入社した。「ボルトの発注があっても何種類もあり、在庫数や保管場所も分からなかった」と振り返る。これまでの知識を生かして簡単な在庫管理アプリを作成し、インターネット上で無料公開した。

 その後、改良を重ね、アマゾンが提供するサーバーを活用して、利用者がスマホなどから手軽に入力し、情報共有と閲覧ができるアプリを開発。今年10月、会社を設立した。「社員はまだ私1人ですが、もっとユーザーを増やして新入社員を採用したい」と語る。

 当初は、倉庫業を主体としたユーザーを想定していたが、口コミもあり、病院や調剤薬局、居酒屋、製造業などの利用者も増えた。在庫管理が必要な業種の裾野は意外に広いと感じるという。 今後の課題は、利用者にとってさらに簡単なアプリを提供することだ。「目標は私の母親が使いこなせるレベル」と田村さん。「3年後にはキーボードを使わないで、撮影した画像を人工知能(AI)で認識し、どんな部品でも識別できるものを開発したい」。また、英語バージョンを広め、さらなる世界展開も考えている。詳細はZAICOのホームページ(https://www.zaico.co.jp)へ。