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2年目の活動、財産に・棚村慧史さん(27・H21卒) エチオピア・理科教育
(2017年10月21日山形新聞より)


同僚たちとインジェラを食べる棚村慧史さん(H21卒)

 雨期の終わりを告げる黄色い「マスカルフラワー」(9月の花の意味)が咲き始める9月、東アフリカに位置するエチオピアは、独自の暦(エチオピア歴)で新年の2010年を迎えました。9月11日の新年から、9月末に行われる大きな櫓に火をともすエチオピア正教会の「マスカル祭」までの間、エチオピアは騒がしくも神聖な独特の雰囲気に包まれました。

 そんなお祭り騒ぎも落ち着いた今、2年間を過ごしたエチオピアでの活動も終わろうとしています。活動を振り返ると、配属先での実験施設数を約1.5倍まで伸ばせたことや、他の理数科隊員と共同で行ったセミナーでは、2年間で約6700人の生徒、約900人の教師に参加してもらえたことは大きな成果でした。

 全てがうまくいったわけではない活動の中、悩みながら現地の教師、生徒と関わってきました。最後の登校の日、生徒に「さとし」「さとし」と私の名前を呼ばれた時や、エチオピアの主食「インジェラ」を「グルシャ(食べさせ合い)」しながら、「私は日本には行けないけど、このインジェラで膨らんだあなたの頬が私と一緒に日本に行くんだよ」 と同僚から言われた時には、ここで2年間頑張ってきたんだなと涙が出ました。

 初めて訪れた外国、エチオピア。率直に言えば、生まれた国が違うだけで生き方はこんなに変わるのか−と思うと同時に、日本人とエチオピア人との間に大きな差はなく、同じ人間であるということを強く感じました。

 首都アディスアベバでの隊員生活は、いわゆる協力隊のイメージとはかけ離れた活動、生活ではありましたが、現地の人々と共に教育に携われたことで、教育の重要性を肌で感じることができました。正解のない活動の中、自ら考え、現地の人々と共に過ごした2年間は間違いなく大きな財産となりました。素晴らしい機会を与えてくれた国際協力機構(JICA)をはじめ、応援してくれた家族や友人に感謝しています。

各学校で授業研究会・エチオピア・棚村慧史さん(2017年5月13日山形新聞)
実験の魅力広めたい・エチオピア・棚村慧史さん(2016年10月22日山形新聞)
生徒の笑みが励みに・エチオピア・棚村慧史さん(2016年3月5日山形新聞)

■棚村慧史(たなむら・さとし) 米沢興譲館高から東京学芸大に進み、同大大学院を修了。専門は生物(生化学)で、新規エイズウィルス(HIV)阻害剤にかかわる基礎研究を行った。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊として2015年10月、エチオピアの首都アディスアベバに派遣された。職種は理科教育。米沢市出身、27歳。4度目の寄稿。

10月21日山形新聞