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古民家の価値見直す鑑定狙いは・県古民家再生協会代表理事・本多作之助さん(40・H7卒)
(2017年9月3日朝日新聞より)


県古民家再生協会代表理事・本多作之助さん(40・H7卒)

 文化が集積 大切な資源

 「建物自体に風土や歴史、生活様式が詰まっている」という古民家の価値が見直されている。古民家の鑑定やその目的について、県古民家再生協会の本多作之助代表理事(40・H7卒)に聞いた。

 ―そもそも古民家とはなんですか。

 骨組みに木材を使った伝統工法や、建築基準法制定後に建てられた在来工法の木造住宅で、いずれも築50年以上のものを「古民家」と定義しています。

 ―特徴は?

 自然素材を使い、各地の気候風土や生活様式に合った建物ですね。米沢の武家屋敷は、建物が曲がり屋風で、農作業スペースがあるのが特徴。半農半士だった歴史を感じさせます。建物自体に、風土や歴史、生活様式が詰まっています。

 風土に添う構造

 ―なぜ、残すのですか?

 長い歴史を経た古民家には太い梁や大黒柱など、重厚で風格のある古材がたくさん残っています。わらぶき屋根は、軒が大きく張り出して夏の日差しをさえぎり、冬は建物の奥まで太陽の光が届く日本の風土に添った構造になっています。昔の人の知恵の結晶が古民家なんです。壊すと元に戻せない建物なんです。

 ―木材は長く使えるのですか?

 古民家にはケヤキやサクラ、クリ、ヒノキなど多様な木材が使われています。米沢では地元で伐採されたスギが多く、囲炉裏の煙でじっくりいぶされると、表面にすすがつき、防虫の効果も出ます。コンクリートや鉄などは時間の経過とともに弱くなりますが、木材は強度が増し、200〜300年は強度が変わらないと言われています。

 ―鑑定では何をするのですか?

 評価するのは、基礎や内部、環境性能など八つ。そのためのチェック項目は全部で500以上あるんですよ。
 一番は、基礎となる礎石と柱の状態です。詳しく調べる場合は「床下インスペクション」という専門の調査もします。虫食いや雨漏りの状態、外壁に隙間がないかなども見ます。今後の修理の計画も作ります。

 次世代へつなぐ

 ―実績はどうですか?

 昨年6月からこれまでに県内で6件、鑑定しました。鑑定後、古民家を紹介するウェブサイトに3件が掲載され、うち2件で売買が成立しました。持主にとって、先祖代々受け継いできた家です。売ってお金を得ることが目的ではなく、家をこれからも守り続けてくれる人を探しています。私はそのつなぎ役。売買せず、今後どのように活用していくかなどの相談も受けています。

 ―古民家の重要性が周知されたということですか?

 先端技術も大事ですが、昔の技術にも価値があるんです。「周回遅れのトップランナー」という言葉がありますが、真新しいビルの中で暮らす都会の人々が評価してくれています。
 地元の文化が集積され、形として残る大切な資源。私たちは地元の古民家とその文化的価値に、もっと自信を持って良いのではないでしょうか。

■ほんだ・さくのすけ 米沢市出身。福井大学工学部卒、1級建築士。永平寺などの寺社巡りが趣味で、大学を卒業後、社寺建築が「使命」という松井建設(東京都)に入社。30歳を前に地元に戻り、現在は本多建設(米沢市)の3代目社長。