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入院の児童と折り紙・伊藤雄平さん(26・H20卒) ベナン、コミュニティ開発
(2016年11月12日山形新聞より)


治療で入院している子供たちに折り紙を教える伊藤雄平さん(H20卒)

 秋も終わりに近づき、だいぶ肌寒くなってきていると思いますが、いかがお過ごしでしょうか?西アフリカに位置するベナンは、雨期が明けようとしており、日に日に暑くなってきています。
 配属先のラロ保健センターは、一般診療の他にブルーリ潰瘍(かいよう)の治療に特化した施設が併設されています。ブルーリ潰瘍とは「顧みられない熱帯病」として、世界保健機関(WHO)が「人類の中で制圧しなければならない熱帯病」に指定している感染症です。
 完治後でも入学拒否や差別を受けることがあるため、社会問題にもなっています。ラロ保健センターにも就学児童が10人ほど長期入院しており、入院中は外出ができないため、学校に行ったり、友達と遊んだりすることもできません。その上、病状が深刻化するまで受診しない住民が多いことから、治療に1年以上かかることもあります。
 私は入院児童を対象にアルファベットを教えたり、迷路や折り紙など手や頭を使う遊びを一緒にしたりしています。日頃、テレビしか娯楽がないため、すごく喜んでくれます。特に生まれて初めて目にする折り紙は、1枚の紙がカエルになって飛び跳ねたり、飛行機になって空を飛んだりするので、目をきらきらと輝かせて楽しんでくれます。見ていた大人の患者たちも、教えてほしいと頼み込んでくるほど好評でした。
 一般診療では主に乳幼児の予防接種を手伝ってます。それぞれ決まった時期に5回、予防接種を受けないといけないのですが、接種率はいまだに50〜60%ほどしかありません。生活の中に時間や日付の概念がないことが関係しているのではと私は思います。
 自給自足の生活をしているので、太陽の傾き加減と季節の変化ぐらいしか生活に必要がありません。自分の誕生日や年齢が分からない人も多くいますし、自分が出産した日付も分からない人が多いです。そのため、自宅で出産した子供の誕生日を母子手帳に記入する際、5日前の金曜日と言うぐらいしか手がかりがありません。しかも、その情報もだいたいは間違っており、「5日前は金曜日じゃなくて水曜日だけど、この子の誕生日どうしようか・・・」というように、いつも迷わされています。
 残りの任期もあと8カ月。悔いが残らないよう、ベナンで出来る限りのことをやり遂げたいと思います。

■伊藤雄平(いとう・ゆうへい) 米沢市の米沢興譲館高からオーストラリアのメルボルン大学へ進み、卒業後は発展途上国における上下水道インフラ整備が専門の建設コンサルタント会社に就職。南スーダン出張がきっかけでアフリカに興味を持ち、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊に現職参加。2015年7月にベナンに派遣された。職種はコミュニティー開発。本籍山形市、26歳。2度目の寄稿。

※伝統村で健康に貢献・ベナン・伊藤雄平さん(2016年1月16日山形新聞)

11月12日山形新聞