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生徒の笑みが励みに・棚村慧史さん(25・H21卒) エチオピア・理科教育
(2016年3月5日山形新聞より)


配属先の実験室で生徒に顕微鏡操作を指導している棚村慧史さん(H21卒)

 私が国際協力機構(JICA)ボランティアとしてエチオピアの首都アディスアベバに来て、約5カ月が過ぎました。首都は月山よりも高い標高2400メートルの高地にあり、朝晩は長袖が必要なほどに冷え込みます。エチオピアは東京オリンピックのマラソンで活躍したアベベ選手の出身国。コーヒー発祥の地としても有名です。
 そんなエチオピアの首都での生活は停電や断水など多少の不便はあるものの、野菜や果物も豊富でスーパーなども充実しています。独特の酸味がある主食のインジェラも、今では毎日食べたい味になりました。
 私は首都東部の小学校に配属され、主に教師を対象に高学年(日本では中学生相当)理科の実験指導を行っています。派遣前は「モノがない国」と聞いていましたが、首都に限っては暮らしは豊かになってきており、実験器具も全くないという状況ではありません。しかし、器具があっても実験技術が追い付いていないのが現地の課題であり、事前の予備実験を教師と一緒に行うことで、スムーズに実験ができるように支援しています。
 また、周辺校の手本となるモデル校としての役割を果たすため、器具、試薬が少ない学校向けにペットボトルや野菜など現地の材料を活用した教材開発も同僚とともに行っています。エチオピアの小学校の理科授業には、日本では高校に相当する内容も含まれ、それを英語や現地語で説明することには苦労しています。配属先の活動だけでなく、現地の文化も非常に多彩で、毎日が良い経験になっています。
 2年間の活動は、まだ始まったばかりです。「未来に残る持続可能なシステムづくり」を目指し、より多くの人に技術を伝えるための実験マニュアル作成や教師向けセミナーの開催、生徒が理科に触れる機会を増やすための科学イベントなどを計画しています。
 慣れない生活や言語の問題でつらい思いをすることもありますが、子どもたちの笑顔に助けられて頑張ることができています。今後も現地の人々との関わりを大切にし、同じ目標に立った活動と、互いの文化の交流に努めたいと思います。

■棚村慧史(たなむら・さとし) 米沢興譲館高から東京学芸大に進み、同大大学院を修了。専門は生物(生化学)で、新規エイズウィルス(HIV)阻害剤にかかわる基礎研究を行った。JICAの青年海外協力隊として昨年10月、エチオピアの首都アディスアベバに派遣された。職種は理科教育。米沢市出身、25歳。初めての寄稿。

3月5日山形新聞