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祝「乾杯条例」努力は継続・小関敏彦さん(S49卒) 
(2014年3月8日朝日新聞山形版より)


「ヴィニョロンの会」でワインのテイスティング技術を磨く若手技術者ら
=山形市のホテルメトロポリタン山形

 2月25日の県議会で「やまがた県産酒による乾杯を推進する条例」が可決された。
 今回の条例は県産の日本酒やワインでの乾杯を推進するもので、県産酒の普及を通じて原料米の開発やブドウの栽培技術、優れた醸造技術など、本県の酒造文化の伝承を目的としている。
 国内での乾杯条例の制定は、昨年1月の京都市を皮切りに、すでに40以上の自治体に広がった。県単位では、佐賀、栃木、鹿児島に次いで山形県が4番目だ。
 長く酒造技術に関わってきた私には大変喜ばしい出来事で、同様の条例を可決した山形市を始め、県内外の市町村で条例をつくる動きがあるようだ。そこで今回は改めて、山形県の日本酒やワインの特徴についてまとめてみたい。
 そもそも、今回の条例でなぜ日本酒とワインに焦点を合わせたのかといえば、県産酒は原材料の県産率が極めて高いからだ。
 本醸造酒より上のランクの高級酒の場合、原材料の県産率は全国平均の28%に対し、県産酒では67%と2倍以上ある。さらに品質の評価も高く、国内外の鑑評会・品評会での成績は極めて優秀だ。  また、日本酒関連のテーマを扱う出版社が毎年行う「地酒人気銘柄ランキング」では、県産酒は2位以下を大きく引き離して4年連続で1位に輝いている。
 一方のワインも、今年度はメーカーが1場増え、国産ワインコンクールで初めて3点が金賞に入るなど記念すべき年になった。
 これらの結果は一朝一夕で成し遂げたものではない。日本酒では山形県研醸会、ワインではヴィニョロンの会という若手技術者集団の活躍が躍進を支えたのだ。
 良い原料を開発・栽培し、優れた技術力で製品化に取り組む。乾杯条例が制定された今こそ、我々業界人は原点に返って、努力を継続しなければならないだろう。

■小関敏彦 1956年川西町生まれ。80年から県工業技術センターに勤務し、純米吟醸酒「DEWA33」などの開発にかかわる。4月から県工業戦略技術振興課に在籍。