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「勉強の季節」夏が到来・小関敏彦さん(S49卒) 
(2013年8月2日朝日新聞山形版より)


7月にあった、県内の酒造りの技術者らが参加した「県研醸会」の様子。
県外の酒造りの取り組みなどを学んだ=鶴岡市の温海温泉

 日本の暦の始まりには正月と新年度の2種類があるが、酒造界にも「酒造年度」というものがある。7月に始まり、終わりが翌年の6月。本州の早い地域では8月にコメが収穫されるが、その新米が使える時期とも重なり、酒造りに便利な暦となっている。  酒造年度が切り替わったこの時期、各地の酒蔵も酒造りを終えて一息ついているのだろうと思われがちだが、実は結構忙しい。酒の輸出をしているメーカーなら輸出先の各国を訪問する必要があるし、何より今は大事な「勉強」の季節なのである。
 酒造りから販売まで地元の社員だけで手がける山形県のような地域では、最新の市場動向などの知識を自分たちで学ぶ必要がある。そのため本県では、毎年20人以上の講師を全国や海外から招き、技術や商品開発、マーケティングなどに関する勉強会を30年以上も開催してきた。
 技術の勉強ではたとえば、酒蔵ごとに違う酒造機械や装置、水、貯蔵環境などについて、各地の実例を詳細に学ぶ。機械の使い方ひとつ違うだけで酒の味は変わるものだ。自分たちの酒蔵が目指す酒質を表現するためには、それぞれの要素をどう組み合わせればいいのか。無数にある可能性を考えながら、仮説を立てる能力を高めるのが狙いだ。
 また、こうじづくりや発酵が正しく行われているか迅速に判断できるようにするため、きき酒の実習も数多く行っている。杜氏(とう・じ)にとって最も重要な仕事は、年によって違う原料米の特性を把握することだが、そのためにも優れたきき酒の能力が必要不可欠なのである。
 私の例年の年間スケジュールをみても、7〜10月は勉強会の予定でびっしりだ。その勉強会が終わりに近づく頃はすでに秋。次の酒造りが始まる時期を迎える。

■小関敏彦 1956年川西町生まれ。80年から県工業技術センターに勤務し、純米吟醸酒「DEWA33」などの開発にかかわる。4月から県工業戦略技術振興課に在籍。

朝日新聞デジタル山形版・酒に交われば

8月2日朝日新聞山形版