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やましん健康講座2012 〜慢性腎臓病を防ぐために〜減塩と尿検査で始める健康生活セミナー
腎臓病 発見の鍵「タンパク尿」 山形大学医学部付属病院第一内科 今田恒夫さん(S58卒)
(2012年9月26日山形新聞)


腎臓病や高血圧の予防のため、減塩の必要性を強調した「やましん健康講座」
=山形市・山形国際交流プラザ

 やましん健康講座2012「〜慢性腎臓病を防ぐために〜減塩と尿検査で始める健康生活セミナー」がこのほど、山形市の山形国際交流プラザ(山形ビッグウイング)で開かれた。慢性腎臓病は高血圧や糖尿病などが原因で腎臓の機能が低下するもので、早期発見・早期治療の他にも、さまざまな生活習慣病を引き起こすため、生活習慣の改善と投薬などで血圧を適切にコントロールすることが必要だ。講座では腎臓病と高血圧について専門医が解説したほか、事前に寄せられた質問に答える形で「Q&Aコーナー」も行われた。また塩分摂取量を抑えた「減塩弁当」も希望者に提供された。講座の内容を紹介する。

今田恒夫さん
山形大学医学部付属病院第一内科 今田恒夫さん(S58卒)

尿検査で分かること〜腎臓病のいろいろ〜
  腎臓は握りこぶしほどの大きさで、腰の両側辺りに一つずつある。腎臓の中には毛細血管の塊(糸球体)がたくさんあり、血液はその中を通ることで浄化される。きれいな血液は心臓に戻り、また全身を巡る。腎臓は主に血液中の老廃物をろ過し、尿として体外に出す役割を果たしている。さらに赤血球の精製や、血圧を調整するためのホルモンを作ったり、体液の成分を適切な状態に保つ役割も持っている。
慢性腎臓病(CKD)の患者は全国で1300万人いるとされているが、患者の多くは病気に気付いていない。初期には自覚症状がほとんどなく、疲れやすい、体がむくむなどの症状が出た時は、既にかなり病気が進行している。低下した腎臓の機能は元に戻ることはなく、さらに病気が進めば人工透析が必要になってしまう。
早期発見には?
腎臓の機能を保つには早期発見が欠かさないが、その方法には尿検査と血液検査の二つがある。まずは尿検査。尿の中にタンパク質が交じる「タンパク尿」、血液が交じる「血尿」は、初期の腎臓病の症状だ。血液検査では「血中クレアニン」の濃度が指標となる。クレアニンは筋肉から出る老廃物で、普通は腎臓でろ過されるが、血中の濃度が高ければろ過する力が落ちている、すなわち腎臓病が進行している、と分かる。
タンパク尿は同時に、全身の血管が傷みはじめていることを示している。脳卒中、心臓病、任地賞などのリスクも高まると考えていい。腎臓の糸球体の血管に穴が開き、血液の中のタンパク質が尿に交じっている状態だからだ。
糸球体が壊れると、残った健全な糸球体の負担が増えるため、糸球体が“過労状態”になり、次々に壊れて病気が進行する。
腎臓病の初期症状であるタンパク尿が出たら、腎臓への負担を減らさなければならない。すなわち血圧、塩分摂取量、血糖値を減らすこと、肥満の改善などだ。
多い潜在的患者
山形大学医学部は2004(平成16)年から、高畠町の健康受信者を対象に、腎臓病の発症率などについて研究している。特殊な検査で分かるごくわずかのタンパク尿が出た人が、受診者の20%に達し、潜在的な患者が多いことがわかった。加齢、肥満、高血圧、糖尿病および糖尿病予備軍、過剰な塩分摂取が、腎臓病のリスク要因となることも明らかになった。
タンパク尿が出たら、まずはかかりつけ医で再検査を受けてほしい。軽度ならば、かかりつけ医の指導の下で血圧、血糖、食事、生活習慣を改善することで、、タンパク尿がなくなる場合がある。しかし、タンパクの量が多い場合や腎機能が大きく低下している場合は、専門医の診察を受ける必要がある。
慢性腎臓病は、腎不全、脳卒中、心疾患とつながっており、早期発見・早期治療が重要である。その鍵が「タンパク尿」。食事や生活習慣の改善と投薬で、腎臓への負担を減らすことが有効であることがわかっている。腎臓を大切にして、元気に長生きしてほしい。

9月26日山形新聞