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「ロバスト」を社会に活用 山形大名誉教授 渡部慶二さん(68・S37卒)
(2012年7月22日山形新聞)

渡部慶二さん
山形大学名誉教授 渡部慶二さん(68・S37卒)

 「無駄をなくせばいいわけではない」
 社会で生じる様々な障害や問題を乗り越え、変動に強くなるにはどうしたらいいのか―。山形大工学部応用生命システム工学科元教授の渡部慶二さん(68・S37卒)=同大名誉教授、米沢市東2丁目=は、「ロバスト」という制御工学の場で使われてきた概念を、社会や会社、人間に活用することを唱えている。どのような考え方なのか話を聞いた。
 ―「ロバスト」の意味は。
 「頑健という意味です。いろいろな変動や障害にぶつかっても、壊されずに持続できるという意味を含んでいます。元々はエアコンの温度を一定にしたり、ロボットを動かしたりする『制御工学』という学問で使われている言葉です。かつて目標に合わせる『最適制御』が主力だったのですが、最適にすると少しの変動ですぐ壊れてしまうんです。そこで変動があっても対応できるように『ロバスト』という言葉が使われるようになったんです。
 ―社会とどうつながるんですか。
 「制御は、温度や回転数など動きを扱っている学問です。社会も会社も人も動いているものなので、そういったところにも使えるのではないかと考えました。現代社会は弱くもろくなっていると思うんです。そこに、制御工学の『ロバスト』という概念を使ってもらえればと考えました。
 ―どうすれば「ロバスト」にできるのですか。
 「物事をドミノ倒しにたとえて考えてみます。何か障害があった場合、1列だとそこで止まってしまいます。2列3列と増やすことで、どこかで止まっても大丈夫になります。ウイルスなどが発生した時に全滅してしまうので、同じものを増やすのではだめで、白いドミノだけでなく赤や青などと多様なドミノを作ればいろんな障害に耐えることができます。ただし、増やし過ぎは禁物で、どこかで抑えなければなりません。ロバストにするには、同じものを増やす、多様化する、増えすぎたらおさえることが大切です」
 ―例えば会社で考えるとどうなりますか。
 「会社において利益や生産性を上げ、コストを下げるというのは、無駄をなくすということです。ドミノでいえば1列だけを残すことになり、何かが起きた時に対応できなくなります。無駄をなくせばいいというわけではないと思います」
 ―昨年11月に「ロバスト・変動に強い人・会社社会へ7つのポイント」という本を出版しました。
 「社会貢献の一つとして自分の考えを残しておきたいという思いがありました。もっと具体的に書き直して、一般の人たちにも知ってもらいたいと思います」


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7月22日山形新聞