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太平洋戦争中 英兵を救助 工藤艦長(大9卒)顕彰の碑除幕
(2010年10月17日山形新聞)

顕彰碑除幕式
工藤艦長の親せきも出席した顕彰碑除幕式=高畠町・浜田広介記念館

 高畠町出身で、太平洋戦争中に海上を漂流していた英国兵422人を救助した旧日本軍海軍駆逐艦「雷(いかづち)」の工藤俊作艦長(大9卒)の遺徳を顕彰する碑が同町の浜田広介記念館前に建立され、16日、現地で除幕式が行われた。
 除幕式には寒河江信町長や、工藤艦長の人道的行動をまとめた本「海の武士道」の著者恵隆之介さんら県外から約100人が参列。顕彰碑建立実行委員会の登坂捷一会長が「戦争という極限状態の中で敵兵を救助した工藤艦長は、私たちに命の尊厳を教えて下さった。この偉業を末永く伝えていくため顕彰碑が建てられたことをうれしく思う」とあいさつ。工藤艦長の親族の吉雄さん(61)=高畠町=は「艦長はとても温厚な人で、戦争から帰っても一言もこのことを言わなかった。偉業は町民皆の誇りでもあると思う」と話した。
 工藤艦長は1942(昭和17)年、ジャワ島北方沖で撃沈された英巡洋艦2隻の生存者が漂流しているのを発見。敵潜水艦などの脅威があった中で「敵兵を救助せよ」と救助命令を出し、雷の乗組員が英兵を救出した。この出来事は救出された英兵の1人、サムエル・フォールさんの証言によって明らかになった。
 顕彰碑には、艦長の当時の命令である「敵兵を救助せよ」の文字が刻まれている。昨年11月に発足した町民有志による実行委員会が募金活動を行い、県内外の約700人から協賛を募って建てられた。


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10月17日山形新聞