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色が持つ感情を表現 県美展・洋画、彫刻の2部門で奨励賞・清水恵子さん(S49卒)
(2010年9月16日山形新聞掲載記事)

高山義則さん
清水恵子さん(S49卒)

 米沢市万世町牛森の清水恵子さん(54・S49卒)は中学校の美術教諭を今春引退し心機一転、県美展に臨んだ。過去に手掛けた彫刻「想(そう)」と、今回制作したコラージュの洋画「レッドパープル2010」の2作品がともに奨励賞。後者はアイデアにつき動かされて作ったといい、「創作の楽しさを改めて感じている」と話す。

想(そう)
「想(そう)」
レッドパープル2010
「レッドパープル2010」

 コラージュは雑誌の切り抜きをちぎって並べ、色を塗り替えて制作。主題の赤紫色を引き立てるよう対照配色を施し、銀色の額縁も自身で作った。「色が持つ感情を表現したかった。技術や理論ではなく直感で配色した」と語る。
 制作のきっかけはフランス現代画家の大家ザオ・ウーキーの言葉。「『描くこと、それはまず何より冒険なのです』。私も挑戦してみたくなった」。おとなしく平凡だと感じている自身の殻を破るべく、強い色を選んだ。
 新潟大出身。学校教員養成課程で「思いがけず」美術を選択した。「あまり学ばず、作らなかった。卒業後に現場で学んだ」と笑う。6〜7年前の教員研修で「想」を制作。穏やかな表情を浮かべつつ、しっかりと立つ女性像で「モデルをよく見て素直に表現できた」というお気に入りの作品だ。
 色重視のコラージュは青を主題にした作品も制作。「色の力に魅了されている。次々とアイデアが生まれてきてわくわくする」と話す。「技術にこだわらず色で訴える作品を生み出したい」。退職後も学びは続いている。
 (県美展:9月20日まで山形美術館)

8月25日山形新聞