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まず“知ること”必要 追放ドーピング JADAの取り組み
池田めぐみさん(県体協・JADAアスリート委員)に聞く(H10卒) (2010年1月29日山形新聞掲載記事)

池田めぐみさん
JADAの委員としてアンチ・ドーピング活動を続ける 池田(旧姓原田)めぐみさん(県体協・H10卒)



 女子フェンシングでアテネ、北京の2大会で五輪出場した池田めぐみさん(県体育協会・H10卒)が日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のアスリート委員として活動に加わっている。アンチ・ドーピングへの考えや、委員としての活動について聞いた。

-ドーピング検査への意識はあったか。
  初めてのドーピング検査は2004年のアテネ五輪派遣前の検査だった。それまでは無縁と思っていた。その後はワールドカップで抜き打ち検査も受けた。見聞きした知識はあり、いずれも業務として冷静にできた。

-日常生活の変化は。
  意識してから薬の成分を確認するようになったし、医者に相談して生活に必要な薬を事前に準備するようになった。食事は生鮮食料品に特に違反物はないので従来と変わらない。治癒目的の薬に対して注意するだけ。(あらゆる分野で)自己管理できなければ協議で力を出すことはできないと考える。

-検査にどう臨むべきか。
  検査に呼ばれると何かしたのかという気持ちになるかもしれない。実際は検査で何かあったときだけ連絡が来て、何もなければ連絡はない。初めてのときは心理的な衝撃を受けるかもしれない。(それを防ぐには)やはり事前に知ってもらうことが一番だろう。(仮に陽性となれば)世界ドーピング防止機構(WADA)による罰則では、禁止薬物が何であれ2年間の出場停止となる。使用自体が選手生命にかかわるし、2年間出られないことも同じく選手生命にかかわってしまう。

-JADAでの活動について。
  大学から知る河野一郎先生(JOC理事)に誘われ、JADA設立時(01年)からかかわり始めた。普及、啓発を担うアスリート委員会が発足した去年から、正式に委員として活動した。いずれはほとんどの高校生アスリートが検査対象となる可能性があることから、全校大会でブースを設けて普及に務めている。そこでは、なぜ悪かのヒントを与え、考えてもらい、理解してもらうことが核となる。アンチ・ドラッグにもつながっていると思う。(理解する)高校生は将来、スポーツ界以外でも貢献する場は出てくると思う。

-世界の現状は。
  日本は検査の数が(ほかのスポーツ先進国に比べ)最も少ない。関心も薄い。海外では地域レベルの大会で検査をするところもある。選手はなぜドーピングが駄目なのかをトップ選手ほど理解し、クリーン性のアピールに取り組んでいる。オーストラリアのエベリン選手は「知らないと自分を守れない」と言っていた。知らなければアピールもクレームもつけられないということだろう。

 

1月29日山形新聞