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古地図を現代に投影「会話のきっかけに」 兼続の街づくり 功績、痕跡一冊に 米沢の遠藤さん(S60)出版
2009年7月9日山形新聞掲載記事

直江兼続がつくったまちを歩く

 

 米沢市の九里学園高教諭遠藤英さん(42:S60卒)=同市矢来一丁目=が「直江兼続がつくったまち米沢を歩く」と題した本を出版した。江戸時代の米沢城下図を現代の地図に投影し、米沢の基礎を築いたNHK大河ドラマ「天地人」の主人公・直江兼続の街づくりと今に残る痕跡を紹介。市内の現在地が江戸時代はどのような場所だったかを確認でき、観光や街歩きの際に携行したい一冊だ。
  遠藤さんはこれまで、上杉家米沢移封後の兼続の功績を自身の考察とともに紹介した「直江兼続の素顔」などの著書があり、本作では兼続の“生涯最大の業績”として街づくりの成果を取り上げた。取材に半年以上かけ、地図を片手に市内の隅々まで調査して書き上げた労作だ。
  作品の中では「御城下絵図」(上杉博物館蔵)など江戸時代の城下の配置図を記した古地図を参考に「五十騎衆」や「原方衆」といった家臣団の配置図のほか、本丸、二の丸、三の丸の堀や土塁、道路の跡を現代に投影した地図約30枚を掲載。当時を今と比較し、地図内の史跡の簡単な解説を加えた。
  一読すれば「家の前の道路が実は大手門につながる交通の要衝だった」「不自然なクランクが実は城門跡だった」など、普段、何気なく見ている街並みの新たな発見につながる。遠藤さんは「観光名所ばかりでなく米沢の町全体が兼続ゆかりの地。これまでとは違う視点で書いた。市民に読んでもらい、観光客との会話のきっかけにしてほしい」と話していた。
  カラーB5判46ページで、1部1千円。伝国の社や上杉城史苑、JR米沢駅内観光案内センターASK(アスク)などで取り扱う。九里学園のホームページでは通信販売の案内も。

7月9日山形新聞