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山形新聞2009年2月27日掲載記事
県写真展で2年連続の県知事賞受賞 横山哲夫さん(昭43卒)

横山哲夫


 県写真展への出品を始め、9年目。前回の受賞以来、相当なプレッシャーがあった。「この1年は追われる立場だった。ようやく肩の荷が下りた気がする」とほっとした表情を浮かべた。

 今回の受賞作は、長男夫婦が台所の流し台に置いた小さな風呂で、生後1ヵ月の孫を湯あみしている光景を撮影。流し台で湯あみさせていることへの驚きを感じ、孫が生まれた証しとしても残そうとシャッターを押した。現代の若い夫婦の気質も表わす1枚だ。

 「家族写真が自分の原点」との言葉どおり、長男ら子供3人の生後、写真を撮り続けた。自分が子育てをした時に撮影した子どもが親になり、孫を育てる。「その場面を撮影した作品で受賞できるなんて運命的」と、しばし感慨に浸った。

 時代や風景の記録という写真の側面を認めつつ、「心の感動を写す」という心情は忘れない。年間約3万5千枚を撮影するが、人の温かさや優しさといった感情が読み取れる作品が多い。「人は同じ表情がない。表情を通じて心の内面も写すことができる」と人物写真の魅力を語る。

 大切にしているのはコミュニケーション。被写体と会話しながら撮影を進める。心が通い合っているからこそ、人の内面を撮影できると感じるからだ。

 趣味はスキーだが、最近はカメラにかかりきりで、年に1、2回、ゲレンデに足を運ぶ程度。「腕はなまりっぱなし」と笑う。撮影した写真の整理に没頭し、就寝時間が深夜2時を過ぎることも。

 飯豊町在住。59歳。

 

山形新聞20090227